よみコミ!

漫画の感想ブログ。読んだ漫画の数は5000冊以上。メジャーなものから隠れた良作まで幅広く読んでいます。誰かの新しい漫画の出会いの場になれば幸いです。

意外とお得で面白い?読者アンケートの重要性と、少しマイナーな漫画雑誌をおすすめする5つの理由の話。

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 突然ですがあなたは漫画の情報をどこから仕入れていますか?

 

SNSなどの口コミだったり、書店で表紙買いする人、漫画のレビューサイトを参考にする人も中にはいると思います。

ただ「評判ほど面白くなかった」「表紙詐欺だった」「重要なネタバレをされて読む前に水を差された」などの危険性が含まれますよね。

 

 そんな経験はもう嫌だ!という方は漫画雑誌を読んで自分で好きな作品を探してみてはどうでしょうか?

 

まず触れやすいであろうジャンプ、マガジン、サンデー、チャンピオンなどの少年誌。
ヤングジャンプヤングマガジン、スピリッツ、モーニングなどの青年誌。

これらのメジャー~中堅漫画雑誌は競争が激しい分、面白い作品が生まれる可能性が高いです。特定の雑誌に好きな作品が多ければチェックしておいて損はありません。

 

 

なお、今回はそうしたメジャー~中堅漫画雑誌の紹介をすっ飛ばして、少しマイナーな漫画雑誌をおすすめしたいと思います。

 

 

なぜあえてマイナー雑誌を勧めるのか

 メジャー誌は放っておいても人気作が出てくるし、それより自分で面白い作品を見つけていきたいなと思って読み始めたマイナー雑誌なのですが、意外や意外こういう雑誌こそ面白いことが沢山あったんです。簡単に5つの理由にまとめて説明していきます。

 

理由①マイナー誌は作品の回転率が高い

毎月新連載が始まる雑誌もマイナー誌では多く、新連載だけ追ってても半年後には結構な数の作品を読んでたという現象がよく起こります。この現象の理由の一つに陽の目に当たらず惜しくも打ち切りにあった作品もあります。しかし元々数巻で完結させる予定で連載を開始し、円満に終了する作品は意外と多いです。

何十巻にもわたる物語も勿論好きですが、短い巻数だと「これぐらいなら読んでみよう」という気になりやすいですよね。マイナー誌の回転率の高さは作者側には厳しい環境ですが、読者側にはメリットの一つです。

 

 

理由②一人当たりのアンケートの比重が大きい

出版社側にとってあまり好ましくない状況ですが、マイナー誌ではアンケートを送る読者数が少ないです。また1巻が出ても発行部数が少ないため、発売時点で勝負が決まっているなんてこともあります。

そのためアンケートは作品の今後を決めるぐらい効果的です(特に1巻が発売される前の段階)。

 

特に印象的だったのは今は無きミラクルジャンプで『かぐや様は告らせたい』の連載が始まったときです。発想とかテンポが抜群に面白くて「ヤングジャンプでも看板になれるレベル」みたいな感想を毎回送っていたら、実際にヤングジャンプに移籍して編集部に猛プッシュされました。予想通り多くの読者の支持を得て、ヒット作の仲間入りを果たしたのはかなり嬉しかったです。
おそらく私だけでなく他にも似たようなアンケートが多かったからとは思いますが、この作品が人気作になったのは間違いなくアンケート結果が大きく関わっています。


アンケート人気が高いとその作品の継続に繋がる
というのは皆なんとなく分かると思います。なぜそうなるのかおおざっぱに説明すると

雑誌で人気が出る→部数を決定する販売部への大きなアピールポイントになり、初版部数が増える→部数が多いと書店で目に留まる確率が高く、売れやすくなる知名度が上がり雑誌で人気が出る→…→という正のスパイラルが成立しやすいからです。

作品の運命を決める大きな要因であるアンケート。この一人当たりのアンケートの比重がマイナー誌では大きいため、読者にとってその雑誌に関わっているという実感が感じやすいです。
それが顕著にあらわれるのが読み切り作品で「~で~なところが面白かったです。また〇〇先生の作品が読みたいです!」のような感想をアンケートに書くと、その作家の新作読み切りが掲載されたり、読み切りが連載となって再び降臨したりします。

 

「アンケート以外の手段はどうなの?」という意見もあると思います。そういう疑問についてはこちらを読むとより理解が深まるかもしれません。ファンレターの効果はかなり大きいみたいですね。


 

その他にこんなツイートも見かけました。

ツイッターなどで感想書くのも手軽な手段として有効ですが、情報がすぐ消費されるのが欠点です。そういう類と比べてファンレターは、紙に書いて切手を貼ってなどの手間を費やしてまで「伝えたい!」という強い気持ちがないとできないことです。そこまで思わせる作品を編集部はむげにできないです。

 

 

理由③読者の要望で話の展開を変えられる

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これは意外と知られていない気がします。「テニス漫画で場外ホームラン打たせろ」みたいな無茶な要望は某作品以外は困難ですが、現実的な範囲でそれが人気に繋がると判断されれば話の展開や新キャラの設定が変わることは普通に起こりえます。


昔ジャンプで連載された『いちご100%』などが分かりやすい事例の一つです。

 

【ネタバレ注意】以下『いちご100%』の結末についてのネタバレが含まれるので見たくない人は理由④まで読み飛ばしてください。

 

あらすじ: 放課後、校舎の屋上で出会ったいちごパンツの美少女。フツーの中学3年生・真中淳平は夕日に映えるその姿にすっかり心を奪われてしまった!! 彼女は誰? いきなり恋の迷路に突入のいちご模様学園ラブコメディ登場!!

あらすじや表紙でもわかるようにちょっとエッチなブコメです。非現実的な部分もありますがそこは漫画として、本筋は今読んでもなかなかの面白さがあり、少年誌の恋愛漫画の中でも屈指の名作だと思います。

 

この作品の冒頭で出てくるいちごパンツの女の子が東城綾というヒロインで「ああこの子と最終的に結ばれるんだな」というのがほとんどの読者が予想していたことでした。
ヒロインの可愛さやストーリーの面白さもあってか人気作品となり、19巻でようやく主人公は一人の女の子を選びます。その結末に多くの読者に衝撃を与え、今なお語られる名作となりました。

 

 ここでいちご100%最終19巻のあとがきをご覧ください。

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これを読む限り読者だけでなく、作者自身も当初は真中と東城が結ばれるハッピーエンドを考えていたようです。

 し か し 結 ば れ な か っ た。

なぜ真中は東城ではなく、当初は当て馬的ポジションであった西野と結ばれることになったのか。話の流れも勿論ありますが、その話の流れを作ったのは間違いなくヒロインたちの人気格差が原因の一つにありました。

 

いちご100%ヒロインについてのアンケート

リンク先の「一番好きなヒロイン」「一番恋人にしたいヒロイン」「一番結婚したいヒロイン」などの主要なアンケート結果からも分かるように、西野つかさの人気がダントツで高かったのです。
おそらく当時のアンケートでも「もっと西野を登場させて」みたいな要望は多かったでしょう。アンケートが絶対的なジャンプで西野が登場する回が増えるのは自明の理でした。ラブコメ漫画で人気のあるヒロインをぞんざいに扱わず、話に頻繁に登場するとどういう流れになるか…あとはわかりますね?最終的に真中は西野とのハッピーエンドを迎えることになりました。

 このように読者の要望で話の展開が変わっていくことはよくあるようです。
私自身もたまにこうした要望を出すことはたまにあって、アンケートを送ってしばらくしたあとに展開が変わったり、要望したようなキャラクターが登場したことは実際にありました。

 

 

理由④懸賞に当たりやすい

ちょっとせこい話ですが地味にモチベーションになったりします。雑誌によってはイラストが入った特製クオカードや連載作家によるサイン入り色紙、複製原画などの雑誌限定のプレゼントが定期的にあるのでファンならそれを狙って買うのもありです。


懸賞に当たる人はある程度ランダムですが、マイナー誌だとまともなアンケートさえ送れば、最初の数カ月で当選者が多いクオカードぐらいならおそらく当選します。
週刊誌系はスピリッツで一度、マガジンで『担当T屋物語』が載ったときに長文アンケート書いて一度、クオカードが当たったぐらいですが、月刊誌だと複数回当選した雑誌はいくつかあります。


実際にこれまでに当選したものだと

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少年サンデーのNEWヒロイン4人のイラスト入りサイン色紙

 

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『偶像事変』作者サイン入りポスター

 

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モーニング・ツー10周年記念特製手ぬぐい

 

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一番当たる読者プレゼントと言えばクオカードや図書カード。

こういう通常では売っていない限定プレゼントはやはり当たると嬉しいです。
どの雑誌が当たりやすいかは全て網羅していないので明言できないですが、発行部数が少ない雑誌はおそらく当たりやすいです。

 

 

理由⑤読むジャンルの幅が広がる

マイナー誌の多くは月刊誌です。週刊誌は毎週新しい話が読めるのがメリットですが、毎週読もうとなると都合がつかなかったり結構読むのが大変ですよね。

しかし月刊誌では
①月に一度でいいので自分のペースで読める。
②ページ数が多いので読み応えがある。
③わかりやすいあらすじが載っていたり途中からでも読めるように工夫がされていることが多い。

などのメリットがあります。


「週刊誌と比べて格落ちするんじゃない?」みたいな意見があるかもしれないですが、それに対しては「まず読んでくれ」と返答したいです。


「せっかく買ったんだし一通り読んでみるか」みたいな気持ちで全然構いません。読んでみると意外と面白い作品が多いことに気付くでしょう。そもそも商業誌で競争を勝ち抜いて掲載される時点で相当すごいことなんですよ。
締め切りにある程度余裕がある分きちんと書き込んだり、ネームをじっくり練ってくる作家も多く、週刊誌よりも丁寧な印象を持つ作品は多いです(他誌と掛け持ちするような作家はそもそも実力がある)。


またマイナー誌ではメジャー誌で描けないような挑戦的な作品も多く、読む幅が以前と比べかなり広がりました。読まず嫌いが減り、うえに見識も広がるという結構いいとこ尽くめです。

 

おわりに

 読んでいただきありがとうございました。思ったより長くなったので漫画雑誌の紹介は別の記事に書きました。良ければ参考にして下さい。 

 

 

全く知らない作品を本屋で買うのも楽しいですが、雑誌で読んで、その中で自分が面白いと思ったものを選んで買うのも悪くないです。せっかく買うならすぐに古本屋に売っちゃうようなものより、何度も読み返すような漫画を買いたいですしね。あとは注目していた作品が話題になって売れるとやはり嬉しくなります。

 

長々と書きましたが要は「みんな漫画雑誌読もうぜ!」って話です。マイナー誌に限らず漫画雑誌は毎回未知の作品と出会わせてくれる面白い場所です。興味のある雑誌があればぜひ買って読んでみてください。それでは。

 

 参考記事