よみコミ!

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漫画の感想ブログ。メジャーなものから隠れた良作まで幅広く読んでいます。誰かの新しい漫画の出会いの場になれば幸いです。

このマンガがエロい!2018 ベストオブエロ漫画20選


今回は2017年に発売されたエロ漫画をベスト20にセレクトしてランキング形式で振り返ります。


一般向けでは規制されてしまうあんなことこんなことも普通に出てきます。
そのため性的表現に耐性のない方や18歳未満の方は私に対する紳士なイメージが崩れかねないので読まないで下さると幸いです。

 

 

ルールは最初に述べた通り2017年に発売された成年向けコミックス
から個人的に良かったものをベスト20にセレクトして紹介しています。

普段は一般向けの商業コミックスを中心に読んでるため、評価基準にストーリーの良さを入れる場合がありますが、大体は下半身によって決定しています。

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今年読んだ成年向けコミックスは200冊程度(メロンブックスなど専門店での吟味も含む)と去年と比べると増加しましたが、一般向けと比べると大して読んでないのでその筋の人は鼻くそでもほじりながら読んで下さい。

タイトルをクリックではAmazonに、画像をクリックでDMMに飛びます。
来年もやるかどうかのモチベーションに繋がるので、気になったものはリンク先から購入してもらえると飛び跳ねて喜びます。


それでは紹介していきます!

 

 

第20位 青いさえずり (WANIMAGAZINE COMICS SPECIAL)ニイマルユウ

個人的に2017年の作画部門・最優秀新人。
絵が綺麗すぎると逆に抜けないという意見を目にすることがあるが、この作者についてはおそらくそういう心配をする必要はない。
肉感のある作画、イチャラブから少し加虐的な話まで多岐に渡るシチュエーションでマンネリ感は一切なかった。普段の印象とは違うギャップの魅せ方が上手い。

一般誌では月刊コミックゼノンで『バックステージ!』を連載中。こちらも美麗な作画で電子書籍を中心に人気を拡大中。
一般誌成年誌ともに精力的に活動しており、今後の活躍がとても楽しみな作家の一人です。これから注目されてほしい作家の一人です。

 

第19位 AV授業はじめるよっ (WANIMAGAZINE COMICS SPECIAL)(青ばなな)

表題作のAV専門学校を舞台にした話を考えた時点で設定の勝利である。
連作ものとして学生それぞれに焦点を当て登場人物のギャップの良さがよく描けており、なかなか楽しませてくれました。
行為については絶頂に至るまでのタメが少々足りない点が不満ではあるが、エンタメとしてのセックスから外れて快楽に身を任せて行う後腐れのない交尾になってしまう天性の素質を発揮し、性欲を刺激する体つきと言葉責め、構図はどの話も秀逸で絵柄も現代的で多くの読者に受け入れられるように感じました。
癒しと非日常をエロ漫画に求めて読んでいるので『いやらし湯のはなびさん』が一番のお気に入り。
娘のまつりちゃんのようなそこそこの体つきの女の子でいかに読者の心を惹き付けられるかどうかを今後注目していきたい。

 

第18位 学校でイこう! (WANIMAGAZINE COMICS SPECIAL)牡丹もちと

まずタイトルからチェックしていこう。『八つ袴村』『ナースの卸し事』『ダ・ヴィチン・コード』etc...
このB級AVにありそうな名作を文字ったパロディでお分かりいただけただろうか。
全力でふざけている(もしかすると真面目かもしれない)エロコメディ。といっても画力、ストーリー(エロさ)ともに申し分のないクオリティのためランクインしています。

真面目?にエロ漫画を描くならもう少しまともな台詞になる場面で「夫の車検通らなくなっちゃう‼」「ヤバイ…っ 俺のハイオクがもう満タンだ…っ」(人妻MIDNIGHTより抜粋)など絶対抜かせる気ないやろという台詞がバンバン出てきます。

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特にお気に入りなのが『ダ・ヴィチン・コード』でチョロインな美術部の顧問が男子生徒に頼まれてヌードモデルをするという最高のシチュエーションを台詞で台無しにしていく姿勢が大好きでした。
彼女がいる人はぜひ作中の台詞を行為中に言ってみてはどうでしょうか(そしてビンタされてください)

 

第17位 お兄ちゃんそんなにショートパンツ好きなの?(Noise)

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これで累計8冊目の単行本となるなどエロ漫画業界の中でも比較的筆が速い印象。
コンスタントに一定のクオリティのものが描けているのが非常に素晴らしい。
掲載誌はLOのため登場人物は〇学生の小さい女の子だが悲壮感などはなく、明るいエロコメといった感じで気軽に読める。

〇学生だがロリ巨乳のパターンも多く、邪道とも言えないこともないがロリに興味がない人もその幼いゆえの背徳感に惹かれるきっかけになれるかもしれない。
それが良いこととは口が裂けても言えないが。流石にそこまで幼いのは…という諸兄も入り込みやすい内容に仕上がっています。

 

 

第16位 ウラモノ (WANIMAGAZINE COMICS SPECIAL)ひっさつくん

お散歩JKやyoutuberのおっかけなど流行に乗っかった設定から、定番の野球部マネージャー、万引き少女まで様々なシチュエーションが楽しめ、どの話も一定以上のクオリティがありました。
そのどれも一筋縄ではいかない女の子が相手で、王道からずれたオチが楽しめるため飽きがこず読めた。
女の子の容姿は特にチャラいわけでも暗いわけでもなくごく普通の容姿なのも◎

 

 

第15位 ギャルトモハーレム (MUJIN COMICS)史鬼匠人

1話完結型ではなく丸々一冊かけて描かれるあまりにも冴えない絶倫キモオタ根暗デブのハーレムストーリー。
「30過ぎの童貞が死ぬ間際に見る夢」と言われてないと受け入れがたいぐらい、あまりにも都合がよすぎる設定と展開で序盤はかなり引いていました。

しかし刺激的な描写と妙に読ませるリアリティがクセになり気付けばその世界にどっぷり浸かっていました。
現実ではありえないフィクションをエロ漫画で楽しむのが基本線だった自分には珍しく、その世界観に引き込まれてしまう魔力があり、すごく不思議な感覚に陥った作品。
どういう状況になればこんな妄想にいきつくのか、その奥の作者にも興味がわいてきます。

 

第14位 あつあつもちもち (TENMA COMICS 高)(東野みかん)

登場する女の子は全員JKだが必要以上にダイエットを頑張ってしまうような子は皆無で。少し太めな肉感が素晴らしい。
表紙から想像するような典型的なショタとの母性に溢れるプレイもある一方で、王道とは少し気色の違った同年代とのプレイもなかなか興味深かったです。
読者に新たな扉を開かせてくれる業の深さが魅力的な作品。
その胸にずっと埋もれていたくなるような高いバブみを誇ります。

 

 

第13位 Primal (メガストアコミックス)ロケットモンキー

まず肉付き加減が程よく、献身的な愛情に溢れた行為でお互いが心身ともに気持ち良さそうなのが良かった。
過去作では読んでて神経をすり減らすようなハードなNTRが中心で、実用度は高い一方で読む人を選ぶ作風だったのが難点でした。
それを本作では性癖ではなくコンプレックスに変換することで読者に多少なりとも感情移入できるようになり、新規ファンを獲得できそうな内容に仕上げています。

ただ過去作のファンからすると全編グッドエンド以上の終わり方なのは少しむず痒さを感じます。読者からすれば歪んだ性癖であろうとチンコさえ勃てば文句垂れつつ許してるし、スパイスとして後に残る話が1つぐらいあってもいいんじゃないかなというのが完全に絶賛できない部分でした。
本作のメインディッシュである『egg or chicken』で初めて親子丼の良さがわかり、100点中120点を付けたくなる出来がゆえの面倒くさい感想です。

 

 

第12位 あっ…ニュルってはいった… (MDコミックスNEO)(鉢本)

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彼女との秘密のビデオ撮影や脚フェチな生徒と先生の話、田舎で繰り広げられる強烈な性体験など複数の短編が収録。
描かれる女の子は漫画らしいフィクションはあるものの、どこにでもいるような人物設定で絶妙な生々しさがあります。

またエロ漫画によくある現実ではありえないような巨乳は出てこないため、エロ漫画に慣れていない人にも取っ付きやすい内容に仕上がっています。
エロ漫画にありがちな下品さは薄く、素朴な絵柄で素直な性癖をぶつけている。

 

 

第11位 肉乳DAYS (WANIMAGAZINE COMICS SPECIAL)七尾ゆきじ

拙者ショタが本能のままに腰を振る姿にぐっとくる侍。
おねショタには厳しい規律が多数あります。(もみお氏のお題箱より引用)

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このような厳しい戒律を経て描かれるオネショタもまた趣き深い。
ショタの欲望を受け止める女性もまた母性と性欲がないまぜで、ウィンウィンの関係なのが後腐れなくて良い。素晴らしいおっぱいをありがとう。神乳。

 

 

第10位 声を聞かせて (TENMA COMICS 高)きいろいたまご

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めっちゃときめいた。2017年のエロ漫画ベスト20を決めるために積読崩してたら思いもよらぬ掘り出し物がありました。
成年向けだけど初々しい学生カップルの馴れ初め~初行為を中心に描いた短編恋愛物として読んだ方が良い気がする。

実用面では初々しさが手伝って興奮はするが実用性はおそらく低いため順位は少し低めですが、一般誌で恋愛物が好きな人なら好みの人が結構いると思った。
お互い好きなのにいまいち噛み合わなかった部分が様々な過程を経て、文字通りハマったときのトキメキとデレに見事にやられました。一般誌でも見てみたい作家です。

 

第9位 ともだちの輪(くどうひさし

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作画は素朴で成年向けに特化したものではないが、その分現実的な生々しさを読み進めるほどに感じる。
本当に男の子みたいな少女が出てきたときは「この子がやられるの?流石にエロくなさすぎでしょ」と思ってました。しかし、攻める、攻める、攻める、さらに攻める。
未知の感覚に対する恐怖する女の子に、一切の躊躇なく快楽に変えるまで徹底的に、執拗とも言えてしまう攻めにあそこまでやられて欲情しないわけがない。

少女への圧倒的な熱量に対して男性の一歩引いた主観ではなく客観的に観察する冷静さのギャップが引き立てます。その徹底的な執拗な攻めに感服しました。
心は温まらないが股間は温まる話で女性ではなく性対象としてしか見てないと不快感を覚える人もいそうですが、和姦の話も多少あるのは救いがあって良かった点です。
作者の並大抵でない情熱に賛辞を送りたい。
数年前と比べると作画もかなり進歩が伺えるがここから更に進歩すればより広く知られる存在になりそう。魂の込もった一作。

 

第8位 水滴少女 (メガストアコミックス)(宇場 義行)

画力については申し分なく、女性が体験談を徒然と語る話口と視点に新鮮さを感じた。話の構成は一話完結型の単行本が多い中で前後編に分けることで話に広がりを持たせており、一言で表現するならば文学的。

2話目の性活サークルの話が特にお気に入りで、そこで話題に上がる「体の相性と心の相性は別問題」(意訳)にとても共感しました。
どんなに普段仲が良くても体の相性が原因で不仲になることは十分に考えられる。
そういう背景をエロ漫画で持ってくるのは無粋という意見もあるかもしれないが「体の相性が先に来てもいいんじゃない?」という投げかけは意見として面白いし、生々しさをより強調させるものとして、作品の完成度をより高いものへと昇華させていると私は感じた。
そのため普段エロ漫画までは読まないという人に勧めたい一作。今年読んだ中で色んな読者を想定したうえで総合評価はかなり高いです。

 

 

第7位 プロトタイプ マドモアゼル (WANIMAGAZINE COMICS SPECIAL)40010試作型

イチャイチャ系統が多いですが、その魅力はコントにも似たギャグセンスとキャラクター同士の軽快な会話劇にあると思っております。
絵柄はスレンダー系で、ストレスレスに読める作品が多い。

これは本当それなとしか言いようがなかったので引用して紹介します。
エロ漫画らしい体つきには頼らず若さにかまけた性欲の発散の仕方が健康的です。

全く交流はなく示し合わせたわけでもないのに同じようなラインナップが並ぶときは参考にしたくなりますね。複数名で運営しているためか内容もかなり充実しており読み応えある記事が多いです。これからも応援しています。

 

 

第6位 ちいサイズ (セラフィンコミックス)まるころんど

連作の三匹のろっさんがかなり良かった。相手の弱味を握って、虐げられてきた日頃の鬱憤を晴らすように性欲の捌け口に女の子を使う容赦のなさが嗜虐心をくすぐります。

私は基本的にエロ目的なら大きい方が好みな中で、まるころんど先生は背徳感が非常にそそり見事にハマりました。この味を覚えたらまずいと思いながらも読み進める手が止まらなかった。
特に少女特有の柔らかさではなく骨ばったような、その強く触れれば折れそうな肉体をよく描けている。
同人誌も商業誌と遜色ない内容でそちらもオススメしてます。

 

 

第5位 群青ノイズ(WANIMAGAZINE COMICS SPECIAL)(きい)

彼女たちは猫である。誰のものにもならない。
群青ノイズに登場人物する女の子たちを何かの動物に例えるなら間違いなくそんな気まぐれな小動物。

ふらっと訪れては飼い主を手玉にとって微笑むようなそんな気まぐれな愛情にやられました。加えて圧倒的な臨場感で下品さはないのに生々しさを感じさせる。
ハッピーエンドにしてもいいような状況で何らかの障害があり、ようやく手が届いたかと思えば離れてしまう。
そんないつまでも頭から離れない青春の思い出に浸らせてくれる、瞬間を切り取った一作です。
表紙が二パターンあって、左がネーム集を付属させた初回版、右の通常版はネームは付属しないが初回版に未収録の話が10ページほどあるようです。

 

 

第4位 艶妻情事 (エンジェルコミックス)(オジィ)

表紙でもわかる通り、登場人物の女性は現実ではまずありえないでかさの巨乳で以前の私であればノーサンキューだったのですが、読んでみると表紙で受ける印象ほどの奇乳さはなく、かなり実用的なように感じました。
個人的に今年一番エロかったのはこれでした。
和姦やイチャラブが好きな人にはおすすめできないので順位は少し落としたが、ハードプレイが好きな人には大変おすすめの作品。
作画から漂う熱気むんむんの色気がたまらない一作です。

 

第3位 ラブミーテンダー (WANIMAGAZINE COMICS SPECIAL)(藤丸)

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2017年のエロ漫画で一番好きな作品はなんですか?と聞かれたら迷いなくこれを選びます。
快楽天を中心に活躍中の藤丸先生はギャグよし、叙情的な話よしと緩急自在な楽しいエロ漫画を描く作家。

特に全3話のシリーズ物として描かれた、新進気鋭のトップアーティスト(童貞)と女マネージャーとの物語『Ⅼife/Live/Love is a Battlefield』はストーリーが非常に秀逸でコメディとシリアスとエロのバランスがとても良く大好きな話です。
そんなプロポーズされたらときめかないわけがない。
その他スーパー店員との夢物語や熊との戦いであったりコメディ中心で気楽に読めます。
そんなにエロに抵抗はないよって人は読んでみると意外にすんなり入り込めるんじゃないかと思います。あまり成年向けは見ないよって人に勧めたい一作です。

 

 

第2位 ちゅうくらいがすき(雪雨こん

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 何もかも知り尽くしたようなイマドキロリ、いわゆるビッチロリ系がメインの大人の絵本がありましたら教えて下さい。と某氏に尋ねられて真っ先に思い浮かんだのがこちらになります。
この人の描く女の子はとにかく可愛い。そして可愛いだけじゃなくエロいのがすごいです。

この手の作画は可愛い=愛玩対象になりがちな中で、好奇心と初めての快感に突き動かされてどんどん性に対して積極的になっていくそのギャップにやられました。
JCの未成熟ながら大人になりつつあるぷにぷにした肉感と少しの膨らみ加減が男性の背徳感と征服欲を刺激してきます。

 

第1位 放課後の優等生 (メガストアコミックス)笹森トモエ

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清楚系ビッチを描かせたら間違いなくナンバーワン。
普段はエッチな事なんて聞いただけで赤面しそうなのに体つきは母性に溢れる。そんな女の子と結ばれて自分に対してだけエッチに興味津々。
そんな女の子が理想という人は多いのではないでしょうか。
実際にそんな女性と出会える確率と言ったら宝くじで百万円当たるみたいな確率だと思います。

当たるかもしれない可能性を感じさせつつ、実際に当たることはまずない。でもいつかはと想像してしまう距離感がより生々しいいやらしさを想像させます。
エロ漫画もそんなありえない、でもいるかもしれない。そんなファンタジーな部分が私は好きです。

笹森トモエ先生は同人誌のサキュバステードライフもその妖艶さで多くの読者を惹きつけるオススメタイトルです。
単行本になるにあたって数年費やしているため多少の絵柄の変化はあるが不安定さはなく、少しずつ少しずつ今風のより求められる絵柄に進化している点も大きい。

初単行本にしてアキバの成年コミック売り上げ年間1位を記録できたのはそんなファンタジーでありながらもしかしたら出会えるかもしれない、そんなリビドーを持て余した男性なら誰しもが妄想した理想の女の子そのものだからかもしれません。

 

 

おわりに

以上2017年のエロ漫画ベスト20でした。
自分以外にも毎年ベストをやってるような老舗エロ漫画レビュアーは複数いるのでそちらもチェックしてみるといいかもしれません。
意外と被らないのが嗜好の奥の深さを感じさせます。

とらのあな秋葉原A 2017年「エロ漫画」ベストセラーTOP30 1位は笹森トモエ : アキバBlog

酒とエロ漫画の日々。: 「酒とエロ漫画の日々。」Selected 2017年エロ漫画ベスト10

【新春特別企画】2017年私的&実用的エロ漫画ベスト10 それは私の妄言だ+

ヘドバンしながらエロ漫画! 2017年私的ベスト10


エロ漫画は漫画界でもかなり特殊な扱いされがちなんですが一般向けに転向してヒットを飛ばす作家も数多くいますし、読んでみると結構面白いものはあります。

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なんやかんや読む理由を挙げていますが
現実ではありえないからこそ読みたいときがある

エロ漫画に偏見がある人も多分いますが、この気持ちはぜひとも汲んで欲しい。
これは火鳥先生の快楽ヒストリエでも語られていたので抜粋。
一般向け扱いなので除外しましたが一風変わったギャグ漫画としておすすめです。

その他にも同人誌で語りたいものはいくつかありますが話せばキリがないので今回は言葉少なめに。去年だとやはりクジラックス先生の『わんぴいす完全読本』が断トツで良かったですね。読んでて何度も唸ったので感想も書きました。

LOに『歌い手のバラッド』最新話がそろそろ掲載されるそうなので単行本になるのが今から待ち遠しいです。
あとは愛上陸先生の復讐催眠、幾花にいろ先生の単行本を楽しみにしています。2018年のうちに出るといいな。

今回エロ漫画をベスト20で語りましたが、読みだしたのはここ数年の話で、完全ににわかです。
「知っていたらこれ入れてたのに!」という現象はしばしば起こります。
おすすめの作品があればぜひ教えてください。それではまた。

この新人漫画家がすごい!2018

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あけましておめでとうございます!昨年は大変お世話になりました。
右も左もわからない状態で始めたブログでしたが偉大な先人たちのに助けられてなんとか継続できています。

2018年も偉大な先人たちのいい部分を取り入れつつ、自分にしか書けない記事を書いていきたいと思います。
私のブログをきっかけに面白い作品と出会えた人が少しでもいればとても嬉しいです。

さて今年も早1週間が経とうとしていますがマイペースに2017年の総括をしていきます。
今回は第三弾として、2017年に新たにデビューしたフレッシュな新人漫画家を紹介します。

この記事中で扱う新人漫画家の定義は「2017年1月1日~2017年12月31日の間に初商業単行本が発売になった漫画家」としています。
一部原作と作画に分かれているものがありますが、そのどちらか一方が新人漫画家の定義にあてはまれば新人漫画家として扱います。ご了承下さい。

上述した定義の「新人漫画家」の中で私がチェックしたのはおよそ200人強。
漫画雑誌を複数読んでいると特に意識せずとも情報が入ってくるのが私の強みです。

漫画雑誌は単行本とは違った楽しみが沢山あるので意外と面白いですよ(宣伝)

 

宣伝がすんだところで、その多くの新人漫画家の中から特に要注目していきたい新人漫画家を今回はピックアップしました。

粗削りゆえにまだまだ未知数の力を多く秘めているのが新人漫画家の底知れないところです。
そんな才能が芽吹くためにも気になる作品があればぜひ手に取ってみてください。
それでは紹介していきます。

 

 

マグメル深海水族館(椙下 聖海)

深海生物を扱う水族館を舞台に描かれる主人公の成長物語。1巻では水族館で関わる人たちの人間模様が中心なのでこれからどんなストーリーが展開されるか楽しみな1巻目になっています。
各話で登場する深海生物の解説も面白く、なんとなく名前は知っている生物たちについて知ることができるのでそういう面でも楽しむことができると思います。
その丁寧な生き物の描き方に好感がもてる。

 

 

ランウェイで笑って(猪ノ谷 言葉)

パリコレを目指す少女と服のデザイナーを目指す少年のサクセスストーリー。
少年誌に珍しくファッションを題材にした意欲作。
内容は王道少年漫画のそれであるが、掟を破りながら期待に応える従来にない新しさがある。

それを最先端のファッション同様、奇抜に捉える人も中にはいるかもしれないが、理解を示す人は決して少なくないように思う。

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少年マガジン新世代の幕開けを予感させる要注目の期待作。これからも応援していきたい。
2巻でひとまとまりと言っていい構成なので気になったらぜひ2巻まで読むことを勧めます。

 

熱帯魚は雪に焦がれる(萩埜まこと)

水族館部で不器用な少女たちが織りなすガールズシップストーリー。
井伏鱒二の『山椒魚』から引用した台詞「ああ寒いほど一人ぼっちだ!」に表されるように、少し踏み込むと見えてくる本人にしかわからない不安を叙情的に綴られており、その巧みな心情描写に心惹かれます。

今はまだ友愛とも言えるその感情の行きつく先はいったいどこか。
ライト寄りの百合漫画なのでその手のジャンルが苦手じゃないって人は手に取ってみてはどうでしょう。良い漫画です。

 

 

君は春に目を醒ます(縞あさと)

自分の勘を信じてジャケ買い。とても可愛らしくて優しい話で好みの内容でした。

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コールドスリープ云々の設定は今後あまり活きてこなさそうだけど、年の差物と同級生物のいいとこ取りをするために上手いこと働いてくれたので何の問題もないです。
読み切りも収録されてお徳感もあるし、本編のラストシーンがとても可愛いのは良い構成。2巻も楽しみです。唯一の少女漫画なので頑張って欲しい。

 

ブタイゼミ(みかわ 絵子)

今年一番化けたと思ったのはこのブタイゼミ。1巻時点ではアクの強さが目立っていたのでそんなに評価していなかったが、徐々に作画のアクが改善され、最後の舞台のシーンでは身震いするほど面白いと思える作品に化けるのだから雑誌を読むのはやめられないなあと思います。

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10年経っても忘れられない芝居があるんだ。 明確に、ふとした瞬間に、唐突に沸き立つ悪夢のような芝居だ。
そんな芝居を目の当たりにすることができたなら、なんて不幸でなんて幸せなんだろう。
例えるならサナギから成虫になろうともがくセミのように、一度殻を破り飛び立てば、けたたましく己の感情を騒ぎ立てる、そんな話です。

全2巻で物語は終えるため、短すぎるという評価もあるかもしれないが、セミのように太く短く心をざわつかせたその演劇シーンには非常に心惹かれるものがありました。次回作にも期待したい。

 

 

放課後ていぼう日誌(小坂泰之)

「生き物全般が苦手」な主人公が、ひょんなことから変わり者たちが集まるていぼう部(釣り部)に。
釣りの基礎知識を学びつつ、スタンスを共有し、釣ることの喜びを部員で分かち合えるのが良いです。
魚は食べるのは好きだけど生き餌や魚のぬめっとした感触が苦手な人も「この子ができるなら」と釣りの楽しさに目覚めるかもしれません。

青年誌で女子高生集団を描くと無駄にサービスシーンを入れがちなんですが小動物的な可愛さに留めたのが個人的に良かった点です。
媚びすぎずくだけた笑いありで良い意味でのんびりした面白さがある。時々ある考えるのをやめた眼が好き。
釣りをやってる人もスゲー良く判るってネタばかりで楽しかったと言ってました。

 

保安官エヴァンスの嘘(栗山 ミヅキ)

基本的に一話完結方式ながら単行本で読むと意外と話が繋がっていて思いのほか新鮮な気持ちで読めるのもポイント高い。
このマンガを持っていると運気が上がるともっぱらの噂です。モテたい男性のいるご家庭一家に一冊どうでしょう。

モテたい。ごく一般的な願望をここまで面白おかしくできるから漫画家ってすごい。と同時に見栄の張り方がとても参考になります(ならない)父親は偉大。

 

 

BEASTARS板垣巴留

このマンガがすごい!で第2位に輝いた人気作。
肉食動物と草食動物が共生する世界を描いた話です。読む前は正直その題材の珍しさと格闘技漫画『バキ』シリーズの作者、板垣恵介の娘ということで必要以上に持ち上げられているんじゃないのかと斜に構えて読み始ました。
しかし読み進めるうちに本能と理性の狭間で生きる動物たちの種族の違いうえの葛藤でや、価値観の違いうえに勃発する諍いなど読めば読むほどに没入していきました。

そのヒリヒリとしたドラマはまさに動物版人間賛歌。
新人漫画家という括りに関わらず2017年の漫画を語るうえで欠かせない存在でした。
今年、そしてそれ以降の活躍を大いに期待しています。
絶賛してるわりに1巻のときはそこそこ止まりだったのでせめて2巻、個人的にある程度まとめて読んでみて欲しいです。

 

 

白星のギャロップ(西 連助)

ジョッキーを目指す少年たちの青春群像劇。競馬を知ってても知らなくても面白い内容だと思います。
序盤は実の父親に復讐心を燃やす苛烈な設定であるが、その実ストーリーは非常に丁寧に進行していき、地味ながら骨太な面白さには非常に好感がもてる。

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2巻では
モンキー乗りの手本として見せられたシンプルな美しさに魅入るものがあったり、身近なところに一癖ならぬ人物が浮上してきたりと各々キャラが立ってきた。
惜しくも3巻で完結となりますがタイトルを新たに新章が開始予定。
サンデーとかスピリッツ辺りで読んでみたい。期待の新星。

 

快楽ヒストリエ(火鳥)

成年向け雑誌快楽天BEASTなのに一般向けギャグ漫画という謎枠が遂に単行本化。
この漫画を読むために雑誌を購読してたと言っても過言ではない。という人も多分いる。
毎回歴史に名を残す偉人にまつわるどちゃくそエロい話を期待させては「やっぱりギャグ漫画じゃねえか!」と突っ込まれることでお馴染みの本作だが、歴史の知識を得るにはもってこい。
豊臣秀吉女子高生説や劉備女子高生説など目から鱗が落ちる話が盛り沢山で、コミック高への売り込みも忘れない抜け目ない1冊となっている。
これを読んで間違った歴史を覚えましょう。

 

タイムスリップオタガール(佐々木 陽子)

腐女子なアラサー喪女が中学時代に若返った状態でタイムスリップする話。
ある意味転生物だけど無双するわけでもなく昔より少し状況が好転してるだけで、満喫してる現状。同級生に対して大人な対応を取れるようになった影響でフラグが立ったりしてるけど最終的にどうなるんでしょう。
世代ではないので激しく共感とまではいかないが、直撃する世代には共感することが多いかも。

 

選択のトキ(群千 キリ)

透明感のある絵柄と浸透する言葉の素直さが素敵な期待作。
1、2話目が凄く好きで3話目で若干色物感が出たのは正直うーんって感じでしたが1巻の続きをジャンプSQで読んで「ああやっぱりこの漫画好きだ」と改めて思いました。

友達とは?恋人とは?人間関係に悩む主人公の苦悩は少し痛々しくはあるものの、透明感のある作画がその繊細さをよく表現しています。
選択の時が迫るとき、彼はどちらの性別を選ぶのかはもちろん、トキと関わることで彼がどのように成長していくのか非常に楽しみです。

 

 

異種族レビュアーズ(原作:天原、作画:masha

異世界の風俗店をクロスレビューしていく漫画。
原作は発想の常勝無敗の謳い文句でお馴染みの天原先生であるが作画がネックだったのがmasha先生を作画担当に添えることでよりとっつきやすいなっています。

サキュバス、タコ娘、フェアリーなど種族の特徴を生かした設定が斬新で面白い。
レビュアーもまた異なる種族からの視点で評価するため高評価と低評価の意見も聞き入れやすくしていて参考にしたくなる。天使の天使が悪魔なのが好き。

 

 

とっても優しいあまえちゃん(ちると)

「妄想がすぎるぞ。」で一部の人にはおなじみ。
ニコニコ静画で年間閲覧数第一位に輝くなど、良くも悪くもその凄まじいキャラクターキャラクター性から目が離せません。
審査員は私のみで行う今年度のキャラクター部門で審査員特別賞を受賞しました。

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お兄さんが人間としてアウトすぎてバブみとかそういう次元を超えてくるレベル。
素晴らしい迷台詞で、多くの読者を笑いと恐怖の渦に飲み込んでいきました。
読む人を選ぶがその筋の方には麻薬みたいな中毒性を誇る。
これでも作者は法学部出身なのは知る人ぞ知る豆知識。
作者の好きをとことん詰め込んだお話です。妄想がすぎるぞ。

 

将来的に死んでくれ(長門 知大)

タイトルのキャッチーさで準決勝までいける。優勝するかはあなた次第。

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ガチすぎずガチな、くだけた感じのお話でこんなにあっけらかんと女の子が女の子を好きになってもいいんだ!と思えるので百合漫画の入門的としてオススメしたい。
百合厨で処女厨とだいぶこじらせてますがテンポの良いやり取りが小気味よく読んでいて不快感がないのがいいです。

 

ジンメン(カトウ タカヒロ

動物達が人間の顔を持ち、知性を持って人間を狩り始めるいわゆるパニックホラー物。
漫画読みみたいなタイプには受けないが一般層に受けるタイプでかなり売れてます。
人間の本能に訴えかけてくるような恐怖を味わうことができ、漫画ならではの特殊技術で応戦していくので読むと続きが気になり意外にスラスラ読めるというのは強いです。
喧嘩を売るわけではないがこういう漫画に文句を言いつつ、この十分の一も売れずに消えていくぐらいなら、なぜこれが売れるのか研究して生かしていくぐらいの気概があってもいいとは思います。
この漫画から学ぶ部分は意外と多い。面白いとは言わないがすごい!と言える漫画です。

 

なんでここに先生が!?(蘇募 ロウ)

1巻完結の予定が予想以上の売れ行きで連載作に。
圧倒的な作画の柔らかさと何も考えず読めるノンストレスなエロコメディが受けたんでしょうか。多分作者自身もびっくりしてそう。
各巻ごとにメインの先生が変わっていく方式でみんな可愛い。こういうのは深く考えず様式美を楽しむに限ります。
作画の需要が高かったように感じたので本作が完結したあとに画力をどう生かしてくるかに注目していきたい。完全に男性読者向けなので注意。

 

五佰年BOX(宮尾 行巳)

500年前の世界と繋がる箱を巡る話。主人公が過去の世界に干渉したがゆえに巻き起こる取り返しのつかないバタフライエフェクトをいかに収集出来るかに1巻は注目していたが2巻で状況はさらに複雑化してきた。

この多くの伏線を回収して綺麗に着地出来るか否かによって評価はガラリと変わるのでぜひとも期待に応えてほしいところ。
SF要素が強いが同時に恐怖を覚えるような緊張感も味わうことができる。今後が楽しみな作家の一人です。

 

 

栄冠はオレに輝け!(山本真太朗)

チャンピオンらしい硬派なヤンキー漫画の系譜を継ぐ野球漫画。
誰よりも強かった男が野球と出会い自分より強いやつがいることを知り「野球っておもしれえな」とワクワクする台詞がとても少年漫画らしくて面白かった。

野球版スラムダンクという感じで野球初心者が野球の楽しさに触れ、上達していくのがワクワクします。
月刊少年チャンピオンからマンガボックスへの移籍で芽が出ることを願います。

 

 

無能なナナ(原作:るーすぼーい 作画:古屋庵

1話目の始めで「まーた無能力者か(鼻ほじ)」みたいに思ってたらおもろいやんけってなって最終的にいけるやんと手のひらクルクルした。
面白いけど突っ込みどころだった箇所はいくつかあるものの、それを少しずつ潰していくギリギリの綱渡り感覚が楽しい。

原作のシナリオライターが結構有名な人なのでストーリーについては概ね信頼して読める。あとは作画がそれに追随してくるともっと面白さが増してきそうなので作画担当の伸びに期待しています。
1話1話の密度が濃くてどの話で止めても先が気になる作りにしてるのが地味に凄い。
チート級の能力でも制限や副作用がある点はもちろん、能力が成長するのが今後大きく関わってくると思う。それを踏まえて展開を予想するのも面白いかも。2巻発売時に話題となり打ち切りなどの心配はなくなったのでも楽しみ。

 

偶像事変~鳩に悲鳴は聞こえない~(原作:にんじゃむ、漫画:ミサヲ)

日本一のアイドルが爆発によって片足を失った事件をきっかけに、日本中が狂気に巻き込まれていくサイコサスペンス。
一人のアイドルが大勢の一般人を巻き込んでいく様は本当に怖いのは人間だと思わせるある意味ホラーな印象を持ちました。波紋が着実に大きくなりあらゆるものを飲み込もうとしている。平和を求めて振りかざす正義が別の正義と対立する構造はなかなか面白い。

いったいどんな結末を迎えるのか序盤は荒さもあったが物語はおおいに盛り上がってきた。

 

 

剣姫、咲く(山高 守人)

女子剣道を今流行りの無双系主人公で。人によってはアクが目立つかもしれないが、言葉ではなく目で語り合う感情のぶつかり合いが迫力あってカッコいい。
アクションシーンとテンポの良さ、ハッタリの利いた台詞回しが見所。

1巻の時点ですでに高い画力だったが、より勢いを感じられる作画になってる。
内容に拙い部分もあるが、楽しませようとする心意気は随所に感じられるし登場人物、作者共々更なる成長に期待。

 

 

イノセントデビル(原作:中村基 作画:宗一郎)

「人類の希望は殺人鬼」というセンセーショナルな煽りと表紙が気に入った。
ガンガンJOKERの「売れる漫画」を出そうとする姿勢はとても好きです。
低評価のレビューも分からないでもないが、読者層を考えると深みの前にエンタメ性が重要だし1巻の段階では楽しいからいいじゃんと言いたくなる。

ターゲットが分かりやすい明快な話。 表紙に惹かれるならありだと思います。

 

ニャンキーズ(岡田 淳司)

猫をヤンキーで擬人化すればヤンキーがタイマンで殴り合ってる凶悪凶暴な画面も次のコマでは猫が猫パンチで応酬してる姿に。
猫好きにはたまらない一作。画力も高く人物も猫もリアル寄りなのでそのギャップにやられる人は多いのではないでしょうか。「あんなに痛ぇ肉球は初めてだ...」

 

 

映像研には手を出すな!(大童澄瞳)

独学学んだアニメーションを駆使した独特な世界観と構図が特徴的。
この人のすごいところは驚異のエゴサーチ力。好意的なツイートには大体反応をくれるのでつぶやいた人が喜ぶ→またツイートをする→流行ってるぽく映るので興味持つ人が増える→の図式で着実に読者を増やしていったのはすごい。
ここまでやれとは言わないけれど面白いのに宣伝が足りず打ち切りになってしまう人も少なからず見受けられるので見習う部分は非常に多いです。

 

翼くんはあかぬけたいのに(小花 オト)

表紙は華やかでオシャレ。なのに主人公がクソダサくてギャップが良かった。
ただイケみたいな見方もないことはないが、オシャレな空気を吸い過ぎて死ぬ翼くんは憎めない。
絵柄も男女問わず読めるし1話目読んでノリが合うなら楽しめると思います。
「青のりにお好み焼き乗せるんかお前はーッ!」のとこ大好き。

 

シネマこんぷれっくす!(ビリー)

『木根さんの1人でキネマ』以降、映画漫画が今ひそかに熱いです。
その中でもキャッチ―さとコミカルな笑いが特徴的。

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映画愛をこじらせた部員たちの絶妙なうざさがいい感じに笑いに昇華されており映画に詳しくなくても気楽に読めると思います。ちなみに私はB級映画ハンターの宮川先輩にシンパシーを感じる。
なぜこんな美人が集まる映画研究部がギャグになるのかそれは読めば分かる。
往年の迷作から話題のハイロー回まで様々な映画の話が収録されています。

 

 

 

おわりに

以上27タイトルでした。
本当はもう少し絞りたかったのですが面白いかはともかくすごい!という定義なら外せない漫画が結構あったんや…大目に見て下さい。

さて紹介した作品の中でも新人離れしたその実力をいかんなく発揮し、一躍人気漫画家の仲間入りを果たした者から、キラリと光るものがあるにも関わらず認知度が低いために苦戦するもの様々です。
ただどれも誰かの印象に強く残る、そんな漫画を選びました。
ピンとくるものがあればぜひ手に取ってください。

新人漫画家はどれも連載前と連載後ではあらゆる面で伸びがすごいです。
1話目と最新話を見比べてみるのも面白いかもしれません。

最近は悪い話もよく聞く漫画業界ですが、毎年のように活きのいい新人が出てきます。
その新人が目を輝かせて漫画界を引っ張っていくためにも、若手~ベテラン漫画家が新人に負けないようにお互いが切磋琢磨できる環境であって欲しいですね。

今回取り上げた新人漫画家はもちろん、取り上げなかった人からもヒットを飛ばす漫画家が出てくると嬉しいです。今回はこのへんで、それではまた。

俺マン2017 俺のマンガ33選

2017年もあとわずかということで今年の漫画を少しずつ振り返っていきます。
今回は第ニ弾として、2017年を「俺マンガ大賞」通称俺マンで振り返ります。

「俺マン」とは「俺マンガ大賞」を略して生まれた名称で、選定基準も参加資格もない、
自分の独断と偏見でこの1年読んだマンガから面白かった作品を選ぶ、超個人的年間ベスト企画です。(俺マンについて より引用)


誰に言われるわけでもなく本屋で手に取って熱中した。でも世間的にはマイナー。
そんな作品が必ず一つはあると思います。

進撃の巨人』とか『BLUE GIANT』とか『僕らはみんな河合荘』は現人神かな?ってぐらい面白いです。話題の作画がやべえやつも素直にスゲーと感心します。

でもそういう漫画って万人受けする「みんなのためのマンガ」であって「俺のためのマンガ」じゃない。そんな気持ちを抱くことありませんか?

今回はそういう「みんなのためのマンガ」という考えはなしに、内容的にオススメはできたりできなかったりするけど「俺は面白かった」という漫画。
誰に何と言われようと「俺は好き」そういう漫画を俺マンでは挙げました。


それがこちらです。

 
これに加えて、未単行本4タイトルの計33作品を今年の俺マンに選びました。

前置きは先ほど語ったので早速紹介していきます。

 

未知の世界。だから面白い!

ブルーピリオド

「俺の心臓は今、動き出したみたいだ」
『何か』を探していた青い時代にふいにやってきた美大受験という選択肢。
芸術の考え方や意外と教わらないデッサンの基礎知識をストーリーを通じて描かれており、漠然と捉えていたものの見方が少し変わりました。

主人公は要領が良いだけで他人に迷惑をかけても平気な一般的なイメージのDQNではない。むしろ人当たりの良い好青年だしDQNという帯の言葉に身構える必要はないと思います。
難しそう、と思っていた世界が近づいてくる。

 

火色の文楽

命を賭して、語れるか。つばさをもがれた青年が出会ったのは60歳からがピークと言われる文楽の世界。
険しく果てがない火の道をもがき苦しみながら進むその姿は節々に強さと儚さが見え隠れします。人形浄瑠璃文楽」を漫画ならではの表現で威厳と迫力をもって描かれている。

基本的に紙も電子書籍も読み味はそう変わらないと思っているが、この作品に限って言えば紙で読むのが向いているように感じます。
さきほど挙げたブルーピリオドにも言えますが、今まで興味の外にあった文化に触れてみるきっかけになる。そんな漫画です。

 

この愛は、異端。

悪魔に溺愛され契約した少女の話。この作品を一言で表すならば、陶酔・官能・嫉妬・恋慕・父性・執着どれでも合いそう。
表紙で期待するような妖艶さは作画のおかげで色気を兼ね備えた美しさがあります。

あらすじでドロドロして怖そうと思う人もいそうですが(実際そういう部分もある)蠢く感情を時折見せるコミカルさで思ったより読みやすく仕上がっていて、今年読んだ中でも色んな人に勧めてみたい好奇心に駆られる一作。

 

圕(としょかん)の大魔術師(泉光/good!アフタヌーン

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まだ単行本になっていない新連載の中で一番楽しみにしている作品。
圧倒的な画力で描かれる壮大な世界観にワクワクします。
あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『7th GARDEN』などジャンプSQで実績を重ねた漫画家であるが、掲載誌をgood!アフタヌーンに移したためファンですらこの漫画を連載していたのを知らなかったという人も多いはず。

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「この日このときが運命だった そのほうがずっと素敵だろ?」
どの事柄にも言えますが、偶然の出会いがときとして運命を変えるなんてこと、実は沢山あると思います。それってとても素敵です。

まだ二話目で物語は始まったばかりですが、SQやアフタヌーンで連載していれば、なんて言葉で片づけられるにはあまりにも勿体ない。
是非とも単行本になる前から注目されてほしい一作です。

 

 

 

人にはそれぞれドラマがある

ここは今から倫理です。

「倫理とは学ばなくても将来困る事はほぼない学問」である。
そんな冒頭で始まる高柳先生と生徒の倫理の授業。
それが「知っておいてもいいかもしれない」読み終えたあと、そんな風に考えることができたら私はとても嬉しい。

やや刺激的なシーンも含むため、全ての人にとって最高の漫画であるとは言わないけれど、確実に誰かに手を差し伸べる作品だと確信しています。
読み味は心の具合によって変わるため間を空けて二度目、三度目と読んでいくと面白いと感じる話は変わってくるかもしれません。
発売1カ月で早くも3刷と好調の作品ですがまだまだ多くの人に読まれて欲しい一作です。

 

ショート・ピース

今年は同作者のサッカー漫画アオアシが熱かったです。
ヒットした理由は着目した点が良かったのもありますが、作者の真摯に打ち込んできた賜物だったというのがこれを読むと気付きます。
アオアシもショート・ピースもこれから更に面白くなる。そんな確信が持てる原点の一作。

 

構成/松永きなこ

放送作家は面白がり屋」という言葉がきなこに根付き出してきた。
今は誰かに頼らないといけないけれど、彼女が魔法使いみたいな存在になれたらいいなと思います。
きなこだけでなく、取り巻く人々にもドラマがあります。
どうしたらいいのと泣いていた1巻の表紙から、私は絶対負けんぞ‼と言わんばかりの気持ちの込もった表紙がとても好きです。
去年も2巻からグッと好きになりましたが今年更に好きになれる、そんな熱意が込められた一冊です。

 

そしてボクは外道マンになる

ほとんどの作家に言えますが全盛期をすぎてからの新作で再び新規ファンを獲得するような注目を集めることは稀です。
それがなぜ今再び注目されているのかはとりあえず読んでみればわかる。
作者の平松伸二自らの自伝漫画というにはあまりに過剰。だがそれが面白さに繋がっているように感じます。
ロートルだろうとなめてかかってカウンターパンチを食らうのも一興。平松伸二は今が全盛期である。

 

 

俺の少女漫画

ふしぎの国の有栖川さん

魂が綺麗すぎて何度も浄化されました。
登場人物がイケメンとイケウーメンで構成されています。
ここで話すのは顔じゃなくて性格がいけてるの意味です。

どの話が面白いとかそういう類ではないですがノリも良く、じわじわと浸透していく優しさにきっとあなたも優しくなれるでしょう(仏のような顔)
やさぐれた心が浄化される素晴らしい少女漫画です。

 

かげきしょうじょ!!

歌劇学校を舞台にした作品。能力は未熟でも独特のカリスマ性でこれからスターになるぞ!という意欲が伝わってくるのが強いです。
元々ジャンプ改でやっていた話なので女性だけでなく男性にも勧められる一作です。
たまには少女漫画でもという諸兄は少年漫画や青年漫画で連載経験がある作家からまずは手を出してみるのも一つの手だと思います。
本編から読んでも問題なく読めますがシーズン0もなかなかグッとくるものがあります。余裕があればこちらもぜひ。

 

君は春に目を醒ます

2017年の個人的・装丁部門大賞受賞。
ザ・少女漫画なお話の面白さをまだまだ理解しきれない、というのが現状ですが作画の抵抗感のなさなど評判より直感を信じて読むことで爆死率は減ってきたように思う。
来年こそは少女漫画を自信を持って面白いといえるようになれたらいいな。
年の差物と同級生物のいいとこ取りをしたような素敵なお話です。

 

 

愛しさと切なさと心強さと

熱帯魚は雪に焦がれる

水族館部で不器用な少女たちが織りなすガールズシップストーリー。
井伏鱒二の『山椒魚』からの台詞「ああ寒いほど一人ぼっちだ!」に表されるように、少し踏み込むと見えてくる本人にしかわからない不安を叙情的に綴られており、その巧みな心情描写に心惹かれます。

今はまだ友愛とも言えるその感情の行きつく先はいったいどこか。ライト寄りの百合漫画なのでその手のジャンルが苦手じゃないって人は手に取ってみてはどうでしょう。良い漫画です。

 

また、片想う。

雰囲気がめっちゃ好きなんです。ネタバレすると楽しみが減っちゃう類の話なので詳細は話せませんが、前とは違う状況でそれでも惹かれあう二人というのはなかなかロマンチックで素敵だ。
壮大なようで適度な距離感を持って繰り広げられる恋模様は果たしてどうなっていくのか続きが楽しみです。

 

やがて君になる

去年まで百合というものに禁忌に触れるようなイメージがありました。
それが去年『柚子森さん』、今年は『将来的に死んでくれ』を読み「たまたま好きになったのが女の子だった」とあっけらかんと話せるそんな百合があってもいいんだと思ってからは百合漫画を面白いと言えるようになりました。
その中でも秀逸だったのがこの『やがて君になる

多くの台詞を用いず、表情や立ち位置、目に映る風景で余韻を持たせて心情の機微を表現するのが非常に上手い。
百合漫画に見られる純潔さを兼ね備えながら、人間らしい欲が見え隠れする二人の関係の危うさが魅力的な作品です。

 

りぶねす

りぶねす大好きおじさんなので手が滑って全巻買うことを勧めています。
理由は色々あるんですが1巻だけだとよくある萌え漫画の一つにカテゴリーされやすいのが大きな理由です。
しかし読み進めると恋心や家族愛をあるテーマに沿って丁寧に描いてるのがわかって面白くなってきます。りぶねすはいいぞ。

 

 

ひりつくような緊張感

マイホームヒーロー

家族を守るために夫婦で完全犯罪を目指す話。
現実とフィクションを上手く混ぜながら、どう転がっていくのか先の読めないスピーディな展開ヤクザとの一進一退の攻防は緊張感があってとても面白い。
果たしてこの逃げ場のない罪と罰の物語はどういった展開を迎えるのか。
哲夫は一体どんな「ヒーロー」になっていくのか、要注目の一作です。

 

ランウェイで笑って

こうなりたい、こうありたいと向かう目線の先が合うとその作品に強い思い入れが生まれます。
王道少年漫画であるが、掟を破りながら期待に応える従来にない新しさがある。
それを最先端のファッション同様、奇抜に捉える人も中にはいるかもしれないが、理解を示す人は決して少なくないように思う。
少年マガジン新世代の幕開けを予感させる要注目の期待作。これからも応援していきたい。
2巻でひとまとまりと言っていい構成なのでぜひ気になったら2巻まで読むことを勧めます。

 

ブタイゼミ

2巻発売時にクッソ面白いと何度も言っていたこの作品も、1巻時点では単行本を買う気すらなく雑誌でも読むのを切ろうとしてました。
それが徐々に作画のアクが改善され、最後の舞台のシーンでは身震いするほど面白いと思える作品に化けるのだから雑誌を読むのはやめられないなあと思います。
単行本派だったら完全に見逃してましたよ。
全2巻のため、もう少し長く読みたかった気持ちも勿論あるが、セミのように太く短く、心をざわつかせたその演劇シーンには非常に心惹かれるものがありました。

 

 

グサグサと刺さる!感傷マゾ漫画

わたしのふしだら

今年最高のカタルシスを味わったのはこの作品です。
不誠実にがんじがらめにされた一人の女教師の行く末はあまりにむごいバッドエンド。
エロティックな描写と激情に注目がいきがちですが、この作品を面白いと思ったのは「薬物」を「快楽」に置き換えて展開されるストーリーにあります。
読んでみようと思った人はぜひそちらにも着目してみてください。

 

青春のアフター

多くの漫画では「これしかない!」というようなベストの決断を下せたり、「沢山の人の支えがあってここまで成長できました!」というハッピーエンドが多い中で「皆が皆正しい選択肢を選べる人ばかりなの?」という『当たり前』への問題提起をしてきた作品だったように思います。

そんなこんなで必要以上に考えがちで選択肢を間違えまくってきた自分にとって大いに刺さりました。
戻れない選択肢の数々や普段は奥底に眠らせておかなければいけない感情を呼び覚ます話。万人受けはしないかもしれないが、伏線を読み解くのが好きな人や「あのときこうしていれば」と過去に思い残したことがある人にオススメしたいです。

全4巻の物語の他に、『青春のアフターIF』も発売されており、シミュレーションゲームのように自分なりの「もしも」の選択肢に想像を膨らませるのも楽しそうです。

 

恋のツキ

浮気なんて最低だよねと言いつつ浮気してしまう人の心情を描くのが上手すぎてびびる。
テーマがテーマなので声を大にして面白いとは言えないですが、ドロドロした話が好きな人には強くおすすめしたい。
些細な行動が大きな行動を引き起こすというのを身につまされます。

 

 

 

ギャグ漫画ってすごくね?

しあわせアフロ田中

ギャグ漫画ってすごいなと思ったのは普段何の気なしに読んでた『しあわせアフロ田中』で毎回笑ってた自分に気付いた時です。
笑う門には福来るという言葉があるように、肩の力を抜いてギャグ漫画なりお笑いを見て笑って心をリセットしたらもっと心に余裕ができるかもしれません。

アフロ田中シリーズは長いですがどのシリーズから読んでも問題なく入れます。
これを読めば笑ったりオナ禁したり良いことが起こるのは間違いないですね。

 

快楽ヒストリエ

火鳥先生との出会いはBEASTではなく何気なく手に取った快楽天の読み切りでした。
なんでエロ漫画雑誌でギャグやってんねんと何者かわからずアンケート送った記憶があります(なお外れた)
エロ漫画あるあるで笑えるようになったのは成長か退化かわかりませんがなんだかんだ読む幅が広がったなあと思う今日この頃です。
アマゾンレビューに「人類の歴史を紐解く壮大なサーガ」とか「人類が背負う業」とかやたら壮大なテーマで語られているのが趣深い。信じよう。

 

シネマこんぷれっくす!

『木根さんの1人でキネマ』以降、映画漫画がひそかに熱いです。
その中でもキャッチ―さがかなり高い作品がこちら。
映画愛をこじらせた部員たちの絶妙なうざさがいい感じに笑いに昇華されており映画に詳しくなくても気楽に読めると思います。ちなみに私はB級映画ハンターの宮川先輩にシンパシーを感じる。
なぜこんな美人が集まる映画研究部がギャグになるのかそれは読めば分かるでしょう。
往年の迷作から話題のハイロー回まで様々な映画の話が収録されています。

 

 

ブコメこそパワー

ギャルごはん

ギャルにごはんとか流行りに乗っかればいいってもんじゃねーぞと最初は思っていました。

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現代最高峰のギャルでした。

 

保安官エヴァンスの噓

基本的に一話完結方式ながら単行本で読むと意外と話が繋がっていて思いのほか新鮮な気持ちで読めるのもポイント高い。
このマンガを持っていると運気が上がるともっぱらの噂です。モテたい男性のいるご家庭一家に一冊どうでしょう。
モテたい。ごく一般的な願望をここまで面白おかしくできるから漫画家ってすごい。と同時に見栄の張り方がとても参考になります(ならない)。

 

ラブミーテンダー (WANIMAGAZINE COMICS SPECIAL)
(成年向けのため表紙は省略。Amazonに飛びます)
ラブミーテンダー(DMMに飛びます)

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快楽天を中心に活躍中の藤丸先生は緩急自在な楽しいエロ漫画を描く作家。

特に全3話のシリーズ物として描かれた、新進気鋭のトップアーティスト(童貞)と女マネージャーとの物語『Ⅼife/Live/Love  is a Battlefield』はストーリーが非常に秀逸でコメディとシリアスとエロのバランスがとても良い。
そんなにエロに抵抗はないよって人は読んでみると意外にすんなり入り込めるんじゃないかと思います。

 

 

俺の読み切り

世音ちゃんは甘やかしたいのに(藤近小梅

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佳作(魚豊)

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友情のラリアット(齋藤周平)

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今年の読み切りベスト3です。
先週書いた記事で詳細を書いたので気になる方はこちらからどうぞ。
計12タイトルほど紹介しています。

 

 

積み重ねが面白い漫画3選

あさひなぐ

映画化舞台化と今年一気に言わずと知れた名作になりましたが紹介させてください。
これは前々から面白いとは思ってました。最初は地味だけど段々と面白くなるタイプとして。
それがふと最初から読み返すと、そんなでもないと思っていたシーンが面白く熱く、巻数を重ねるごとにヒートアップする面白さに今年のナンバーワンはこれなのでは?ぐらいに心境が変化したのが面白かったです。

それが名作と呼ばれる所以かはわかりませんが、そんな作品は意外とあると気付けたのが今年の収穫でした。
巻数が長すぎて前の話がわからなくなったという人は、そのまま放置するのではなく、思い切って最初から読むと新しい気付きがあるかもしれません。

 

1518!イチゴーイチハチ!

昔のような思いはできないけれど、そんな今に後悔は一切ないと投げるチェンジ・オブ・ペースが最高にかっこよかった。
「夢を諦めるところから始まる物語」とはよく言ったもので良い漫画とは思うも地味だった1巻からこんなに面白くなるのかと驚かされます。
一度や二度の失敗でくよくよすんなと元気を貰える傑作です。

 

ANGEL VOICE

完結は何年も前ですがとても面白かったので紹介させてください。
不良高校の生徒たちが一人のマネージャーのために奮起し成長していく。というあらすじだけ聞くと創作の世界ではよくある奇跡の物語に見えても、堅実に誠実に積み上げてきた40巻の重みを知れば、
確固たる信念と努力によって成し遂げた「物語の強さ」を感じ、心揺さぶるものとなります。

1話目冒頭のモノローグから35巻の重みを積み重ねたハーフタイム中のやり取りは分かっていても堪え切れない屈指の名シーン。
40巻の長期連載を最後までぶれずに走り切った傑作です。面白いというより強い。

 

 おわりに

多すぎた。

多すぎた言い訳をさせてもらうと今年は500タイトル以上冊数は4桁は確実に超えて読んできました。

その中から「これは面白い!」と思った今年1巻が出た作品を中心に選んだので反省はしても後悔はしていません。どれもとても好きなものばかりです。
興味を持つものがあればぜひ読んでみて下さい。

ただ来年もし俺マンに参加することがあったら20タイトルに絞ろうと思います。

 

褒めるのは難しく、批判は思いのほかスラスラ出てくるのが常です。
批評してやろうと思いながら読むとどんな傑作でも駄作になれます。
名作や面白いと評判のものがイマイチハマれなかったとき、少し距離を置いてみると面白かったなんてことが結構ありました。

漫画は面白いです。


昔に比べてつまらないものが増えたと感じる人がもしいるなら、斜に構えて読んでいないか、小さい頃どんな気持ちで漫画を読んでいたか一度原点に返ってみてください。

私は今年ブログを初めて改めて漫画って面白いなあと感じました。
そして面白さを伝えることの難しさも痛感しました。

2018年は2017年より「漫画って面白い」と思える人が増えるように、そしてそれが出版社と作者に還元されるような世界であることを願います。

今回はこの辺で、今年の更新はこれで最後です。
ぜひお時間ある方は俺マンに参加してみてください。

参加は、Twitterハッシュタグを付けてその年自分が面白いと思った作品を投稿するだけでオーケー。さまざまなユーザーの個人的ベストを共有すると同時に、年明けにその集計結果を発表しています。

来年の結果発表が楽しみですね。また来年もこのブログを訪れてくれたら嬉しいです。それでは良いお年を。

2017年の面白かった読み切り漫画を振り返る

2017年もあとわずかということで今年の漫画を少しずつ振り返っていきます。
今回はその第一弾として、2017年の面白かった読み切り漫画を振り返ります。

 

読み切り漫画の役割

ジャンプ、マガジンetc、各漫画雑誌には大抵1つや2つ何かしらの読み切りが掲載されます。
休載した漫画の代わり(いわゆる代原)として載ることもあれば、連載までの肩慣らしとして、はたまた出版社の漫画賞で上位入賞した作品がそのまま雑誌で掲載されるケースなど事情は様々。

いずれにせよ数多の競争を勝ち抜いてきた作品のため、光るものを感じさせる作品は多いです。
大人気漫画『ONE PIECE』や『BLEACH』、『食戟のソーマ』、『DEATH NOTE』『七つの大罪』など

近年の漫画界を代表する作品も、実は読み切りから始まっています。
連載じゃないからと侮っていると意外な掘り出し物を見逃すことになるかもしれません。

 

読み切り漫画にはお宝が眠っている

最近だと週刊少年マガジンで今年の初め頃、読み切りが掲載された『五等分の花嫁』が反響を呼び連載化。早くも10万部突破の人気作となりました。



2017年はこの他にも読み切りが反響を呼び、めでたく連載の運びとなった作品も実は少なくありません。

 

最近は漫画雑誌を読む人が減ってきたと聞きますが、もし何か雑誌を手に取ることがあれば、せっかくですので目当ての作品以外も読んでみてはどうでしょう。
雑誌を買わない理由として「知らないものに金を払いたくない」という話を聞いたことがありますが「知らないものと出会う機会を得られる」というポジティブな認識に変えるといいかもしれません。


もし何か雑誌を読んでみようかなと思った方がいれば、当ブログで各漫画雑誌について簡単に紹介しているので雑誌選びの参考にしてくだされば幸いです。


さて宣伝がすんだところで今年の面白かった読み切りを紹介していきます。
まずはめでたく読み切りから連載化を果たした作品です。

 

祝・連載を果たした読み切り漫画

 

キスアンドクライ週刊少年マガジン/日笠希望)

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天才の絶頂と転落、そして再起の予感を感じさせる青春フィギュアスケート読み切り。
細かい部分はさておき、フィギュアスケートという意外に見かけない競技、これから待ち受ける苦難とそれを乗り越えてくれそうな前向きな性格に期待したくなる。

読み切りというより連載の一話目という締め方で評価されるのはこれからですが、ぜひとも期待に応えてほしいところ。
好評を博し、連載決定!の吉報からしばらく音沙汰なく心配してましたが連載は年明け頃開始するみたいです。楽しみ。

 

ジャヒ―様はくじけない!(ガンガンJOKER/昆布わかめ)

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あらすじ:魔界No.2のジャヒー様は、 魔界中の誰もが恐れ敬う存在・・・だった。

「だった」というように、なんやかんやあって現代日本にやってきて色々頑張るお話。
魔界No.2の実力者ということもあって魔界ではやりたい放題だったジャヒ―様も、魔力がないためこちらの世界では可愛らしい姿に。調子に乗ったり、空回りしたり、不憫だけど可愛いです。
勢いもよく、キャラが立ってるので読んでて楽しい。単行本はもう少し先になりそうですが反響があると嬉しい。

 

ここは今から倫理です。(グランドジャンプPREMIUM/雨瀬 シオリ)


発売前、そして発売後にもネットを中心に大きな反響を呼び、各書店で即完売、そして即重版になった今年イチオシの話題作。これも実は読み切りからのスタートでした。

去年の10月にグランドジャンプPREMIUMで1話目にあたる読み切りが掲載され、グランドジャンプ 2017 No.4 で2話目にあたる読み切りが掲載。めでたく連載化。

これは読み切りのときから面白いなあと感心して、ツイッターで今年の1月につぶやいてました。

”小難しい話に向かわず、ショーペンハウアーの言葉を使って「個々の視野の限界」について3人の価値観に触れながらの分かりやすい台詞回しは作者の力量を感じました。面白かったです。”
一部抜粋するとこんな感想をつぶやいてたみたいです。

私が面白いと言った証拠の初出はグランドジャンプからですが、実はPREMIUMの読み切りも読んでました。
といっても購読してたわけでもなく、普段利用しない偶然立ち寄ったコンビニで読みました。特に目当てのものもなくパラパラとめくった先がこの作品だったのでそういう運命だったのかなあと一人考えます。


私一人がどれだけ面白いと言っても説得力に欠けるのが弱小ブログの痛いところですが、こういう積み重ねで少しずつ信頼を得たい。
今はまだ虎の威を借る狐ですが、いつか虎側にまわりたいものです。

 
※2、3話無料公開は期間限定のため終了しました。
1話目もその片鱗は感じ取れるので「ふーん面白そう」と思ったらぜひ単行本でも読んでみてください。4話目がすごく好きです。

 

 

つらなるステラ(on BLUE/高野ひと深

 

私の少年』で一躍人気作家となった作者のBL短編集。「連載」という形ではないですが読み切りが単行本に収録されるため紹介。
少年から青年になってもその美しさは変わらず。道化を演じ続ける自分とは別の道を歩む蒼馬への嫉妬を、かつての羨望では堪え切れなくなった瞬間を切り取ったコマは思わず息をのむ。美しい。

BL独自の性描写についてはいまだに慣れませんが、過程が素晴らしかったです。高野先生のファンやBLに抵抗感がない人は手に取ってもいいんじゃないでしょうか。
重版おめでとうございます。

 

 

祝・連載を果たした作家の読み切り漫画

こちらでは読者の反響を得て読み切りが連載!とはなりませんでしたが、評価を受けて別のお話で連載を獲得した作家を紹介します。
クリックでアマゾンに飛びます。こういうときに電子書籍は便利。

友情のラリアット月刊少年チャンピオン 2017年 01 月号 [雑誌]/齋藤周平)

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リングの英雄に憧れた少年たちのその後を描いた青春ストーリー。
「プロレス版キッズリターン」との評価も。

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荒々しい作画ながら臨場感と迫力があり、雨が降りしきる中で組みかわす友情のラリアットは映画のワンシーンを観ているように映りました。
拳を交わしたからこそ分かり合える二人のラリアットに読んでてすごくドキドキしました。

同誌月刊少年チャンピオンで『クローズ外伝 鳳仙花 the beginning of HOUSEN』を連載開始。チャンピオンらしい硬派な作風なのでかなりマッチしていると思う。
今後の活躍に期待しています。

 

阿佐ヶ谷芸術高校映像化へようこそ(少年ジャンプ 2017年2月13日号 No.09/原作:マツキタクヤ、作画:宇佐埼しろ)

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クリエイターとはこうあるべし!というエゴの塊のような主張に胸を打つ人は多いだろうと思いました。ただある程度実績がないと言えない台詞も見受けられるのでそういう部分も含めてエゴの塊のような話でした。

2018年週刊少年ジャンプ8号から同じ原作作画コンビで『act-age アクタージュ』を連載開始予定。ジャンプから久しぶりに楽しみな新鋭が出てきました。

 

雪女ちゃんのはかない日常(少年エース 2017年7月号/川村拓)


「はかない」と聞いてどんな言葉を連想しますか?

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そうナッシングパンティという意味の穿かないですね。
真っ先にこの意味を連想した人はなかなか訓練されてますね。

冗談はさておき、雪女と人間のハーフという設定を生かしたはかないコメディは安易なようで視点の付けどころが面白かったです。
完全に読み切り向けの出オチではありますが、儚い恋心も見え隠れし、ラブコメの波動もバランスよく配置されていて、なかなか笑えるコメディに仕上がっていました。
とはいえ話は面白いけど作画は別の人が担当した方がいいのではと、このときのアンケートでは書きました。

しかし、その後同誌少年エースで連載開始した『七億円を手に入れた僕にありがちなこと。』では作画と内容のアンバランスさがなかなか面白く読ませます。
慣れてくると思いのほか味のある作画なのかもしれません。

最近の少年エースの新連載攻勢の中で一番の期待作なので人気出るといいなと思ったので紹介。
売れなかったら改めて原作と作画を分けてみればどうかと提案しますが話を考えるセンスは高いと思いました。今後の活躍に期待しています。

 

求む!次世代の人気漫画家!魅力溢れる読み切り漫画


ここで紹介した漫画家が後々ヒットしたら見る目があると自慢していきます。
見かけたら目をかけてください。どうぞよろしくお願いします。

世音ちゃんは甘やかしたいのに(ガンガンJOKER 2017年 12月号藤近小梅

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下のきょうだいを甘やかすことに全てを捧げてきた長男長女カップルのラブコメディ。
不器用ながら甘やかすことで愛情を伝えようとしてるのがいじらしいやら恥ずかしいやらで読んでてバタバタしました。
この尊さ、全世界に広めたい・・・!

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このジャンプするところがいいんですよ!(細かい)
記事を書こうと思った原動力はこの読み切りがきっかけでした。

最近ヤングジャンプかぐや様は告らせたい』少年サンデー『保安官エヴァンスの噓』など恋心を自覚しているのに一歩踏み出せないじれったさ・不器用な愛情を面白おかしく描いたラブコメが人気を得ています。
『世音ちゃんは甘やかしたい』はそんなカップルを一歩進ませたようなお話で、ラブ度がさらにアップ。

少年誌ラブコメは結ばれたらお話はここでおしまいという作品が大半ですよね。その後を描いたような話が読みたかったと心の奥底に秘めていたんでしょうか。

こういうカップルが読みたかった!甘い!甘すぎる!これじゃあ~!!と思いの丈を込めたアンケート葉書はこの感想で埋まりました。
ブコメの民は尊いものには優しいし、きちんと宣伝すればヒットする代物だと思います。ぜひとも連載化して欲しい。郎報を待ちます。

 

お雑煮(グランドジャンプ 2017 No.4/山本中学)

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帰省しない理由が「あーわかる」と妙に共感してしまう(笑)
出来事なし男にならないよう色々関わっていこうと思いました。
山本先生の描く女の子は素朴かわいくて好きです。

 

好感(ウルトラジャンプ 2017年4月号夢乃狸

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ウルトラジャンプで好評を博す読み切り企画ウルトラエロティックからの一作。
人によってはビッチに映るかもしれないけれど結末を読んで「好きの許容範囲が広い人」だと感じました。
貞操観念を抜きにして考えると読んでて共感する人は多いのではないでしょうか。
決して誰かれ構わずという話にしなかったのがポイント高かったです。

この読み切り企画のいいところは普段描いてるエロ漫画とは区別して描いてる人が思いのほか多かったところ。もちろん持ち味を出してくる作家もそれはそれでありです。
共通してるのはみんな一定以上のクオリティがあって外したと感じることが少ない部分。

最近は色気や肉感のある作画を武器にして成年向けから一般誌にやってくる作家もよく見かけるようになりました。実力のある作家ならエロも一般も関係ありません。
これからもどんどん出てきて欲しいです。

金言が聴こえる(別冊少年チャンピオン2017年08月号 [雑誌]/原作:中島悠、漫画:青野照坊)

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お金の声が聴こえるがためにお金を使うことができずドケチと誤解されていた少年の話。
人づてに面白いと聞いて読んでみようと珍しく普段手に取らない雑誌に手を出しましたが、期待して読んでも十分応えてくれる素敵な話でした。
お金との会話は序盤こそギャグっぽくも、締めるところは締めてラストシーンに持っていくのでなかなかグッときました。

最近はなんでも無料にしろ安くしろみたいなモノの価値を低くみてくる変な風潮があるから警鐘の意味もあるのかなと意図を想像した感想をつぶやいたら作者に届いて返事貰ったときは便利な世の中になったなあと思いました。

作者によると「1つの信頼の証=貨幣という私見をどう少年少女に伝えようかと着想したお話」だそうです。なるほど。


この原作作画はコンビでやってるようで、ジャンプルーキーに色々投稿しているみたいです。キャラが渋すぎやしないかというのが個人的に懸念でしょうか。そこをクリアできればまだまだ伸びそう。今後の活躍に期待しています。

 

佳作(別冊少年マガジン 2017年7月号 [2017年6月9日発売] [雑誌]/魚豊)

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最初はギャグ漫画かな?と思っていたら想像以上の熱量に圧倒。読んでてワクワクしました。
己の矜持を信じて劣等感で殴りまくる試合の描写は荒々しくも迫力が素晴らしい。
編集部も同様にその熱量を絶賛し、第98回新人漫画賞のトップを飾ったことで別冊少年マガジンに掲載されたみたいです。


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まだまだ作画の荒さは目立つので連載となるとどうだろう。という段階ですが裏を返せば伸びしろがあると踏んだがゆえの感想です。
この人が画力を手に入れたらどれだけ多くの読者の心を掴むのか、楽しみで仕方ありません。
作画に拙さはありますが、期待したくなる魅力に満ち溢れた一作です。
下記リンク先の第98回新人漫画賞の一番左上から読めます。

新人賞過去受賞作品 | マガメガ


以上12タイトルでした。他にも面白い読み切りはいくつかありますが今回はこんなところで。
最近はジャンプ+や講談社のモアイなどで読み切りにも力を入れているサイトも増えてきたので来年はそこから紹介できたらいいなと思います。

とはいえまだまだ主流の読み切りは漫画雑誌でしか読めないため本当一期一会です。
読み逃しまった。でもいつか読めるだろうと期待する方もいるかもしれませんが、よほどの人気作家にならない限り、読み切りが単行本で出版されるということは基本的にありません

しかし、説明したように反響があれば連載化というケースは少なくありません。
編集部の受けは大事ですが何よりも読者の声を大事にしているのはどの出版社にも言えることです。

もしふらっと読んだ読み切りが思いのほか面白く、「続きが読んでみたい」「この作者の話をまた読んでみたい」と思ったらぜひアンケートを送ってください。
その一票が編集部を動かす一票になるかもしれません。

来年はどんな掘り出し物の読み切りが出てくるのか、漫画雑誌を読むのはまだまだやめられそうにありません。
ぜひ興味をもった読み切りがあれば読んでみて下さい。それではまた。

【2017年12月】おすすめ・注目の漫画&新刊まとめ

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先月、先々月に引き続き今回は現在続きを楽しみにしている作品で、今月新刊が発売されるコミックを紹介していきます。

前回はこちら

sasa-comic.hatenablog.com

 

まだ書影が出てないタイトルについては表示され次第、適宜修正入れています。

まずは来月の新刊の中から個人的にこの巻をぜひ読んで欲しい!というオススメの新刊をピックアップしました。
苦手なジャンルでなければ、なかなか楽しめるはずなので気になればぜひ読んでみて下さい。

 

今月のオススメ4選

ブルーピリオド(1) 山口つばさ

スクールカースト上位の充実した毎日を送る高校生・矢口八虎。ある日、一枚の絵に心奪われたことをきっかけに始まる、美大を目指して青春を燃やすスポコン受験物語。
絵の技術的な部分に触れられるのはもちろん青春物として強くオススメしたい。
爽やかさと青春の苦さが入り混じる、静かで熱い感動がそこに確かに存在する。
奇人変人、そして天才だらけの美術の世界で先輩や先生の言葉と姿勢に勇気をもらいながら前進していく主人公は応援したくなる芯の強さがあります。

www.moae.jp

 

マイホームヒーロー(2) 山川直輝/朝基まさし

1巻に引き続きオススメしてます。安易な行動一つが生死を分けるような緊張感の中で繰り広げられるサラリーマンとヤクザの一進一退の駆け引きが面白い。

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地味に一番すごいのは妻の歌仙。肝っ玉が太すぎる。週刊連載ながら1話ごとに引きを持ってくるのが地味にすごいなんてもんじゃない。すごい。
週刊連載のお手本のような話作りをおおいに評価しています。

yanmaga.jp

 

シネマこんぷれっくす!(1) ビリー

映画好きをこじらせた変人たちの軽妙なやりとりがコミカルに描かれて読んでて楽しい。

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『木根さんの1人でキネマ』以降、映画漫画がひそかに熱くぞ。
映画愛をこじらせた部員たちの絶妙なうざさがいい感じに笑いに昇華されており映画に詳しくなくても気楽に読めると思います。ちなみに私はB級映画ハンターの宮川先輩にシンパシーを感じる。
往年の迷作から話題のハイロー回まで様々な映画の話が収録されています。

 

熱帯魚は雪に焦がれる(1) 萩埜まこと

電撃コミック大賞・金賞受賞の実力派。
水族館部で不器用な少女たちが織りなすガールズシップストーリー。
井伏鱒二の『山椒魚』から切り取った台詞「ああ寒いほど一人ぼっちだ!」に表されるように、少し踏み込むと見えてくる本人にしかわからない不安を叙情的に綴られている。

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何がいいかと聞かれると空気感というか雰囲気がとても良い。愛しさと切なさと心強さが100点。
できれば静かで穏やかな雰囲気のときに読むと、より良さに気付きやすくなると思います。
さらなる百合漫画界の活性化に一躍かってくれそうな予感を大いに感じさせます。

comic-walker.com

 

個人的に期待してる注目の1巻

ヒノワが征く!(1) タカヒロ/strelka
 
 

ゲームのようなファンタジーの雰囲気が作画担当も変わってか少し変わり、今回は和風テイスト。
作画は『アカメが斬る!』と同じ人が良かったという意見もあるが、最終15巻の告知イラストよりも作画は向上してるように思えるし、作画についてはこれからの伸びに期待。
ストーリーについてもまだまだこれからではあるものの「おっ」と思わせる描写はところどころ垣間見えるため今後の展開に期待したい。

www.jp.square-enix.com

 

ラブミーテンダー 藤丸

ラブミーテンダー (WANIMAGAZINE COMICS SPECIAL)
(成年向けのため表紙は省略。Amazonに飛びます)
ラブミーテンダー(DMMに飛びます)

初めての単行本が発売される藤丸先生は緩急自在な楽しいエロ漫画を描く作家。
特に全3話のシリーズ物として描かれた、新進気鋭のトップアーティスト(童貞)と女マネージャーとの物語『Ⅼife/Live/Love  is a Battlefield』はストーリーが非常に秀逸でコメディとシリアスとエロのバランスがとても良い。

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成年向け漫画特有の下品さは薄く基本的に明るいエロなため、それなりにエッチな話に耐性のあるラブコメ好きな人なら楽しめる一冊に仕上がっています。

 

夢で見たあの子のために(1)三部 けい

大ヒットを記録した「僕だけがいない街」の三部けいの新作サスペンス。
双子ならではの能力を絡めながら、二転三転していく事件の流れがスピーディー。
前作でファンが増えたことを見越してか1巻は伏線を色々張り巡らせており、それなりの長さを想定して始めていそう。今後の展開に期待。

 

つらなるステラ 高野ひと深

私の少年で一躍人気作家の仲間入りを果たした高野先生のBL作品集。

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少年から青年になってもその作画の美しさは変わらず。道化を演じ続ける自分とは別の道を歩む蒼馬への嫉妬を、かつての羨望では堪え切れなくなった瞬間を切り取った一コマには思わず息を飲む。美しい。
表題作しか読んだことないのでその他の作品も楽しみ。

 

快楽ヒストリエ 火鳥

上げて落とすことにかけては天才的。成年向け雑誌快楽天BEASTで好評連載中の一般向けギャグ漫画。

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毎回歴史に名を残す偉人にまつわるどちゃくそエロい話を期待させてはやっぱりギャグ漫画じゃねえか!と読者から突っ込まれることでお馴染みの快楽ヒストリエがついに単行本化。これを読んで間違った歴史を覚えましょう。

 

 

以上11月のオススメ&注目の1巻紹介でした。
以降は続きを楽しみにしてる作品を発売日順に、雑に紹介していきます。
気になったら読んでみて下さい。

 

この音とまれ!(16) アミュー

新入部員登場で新章突入という感じ。溜めの巻でも安定して面白い。

 

鬼滅の刃(9) 吾峠呼世晴

吉原遊郭に潜む女性の鬼・堕姫との戦い。炭子、猪子、善子がカワイイ。

 

Dr.STONE(3) 稲垣理一郎/Boichi

テンポの良さとパワフルな話運びが痛快。科学知識で人心を掌握していく。その過程が最高に唆る。

 

ザ・ファブル(12) 南勝久

強くておちゃめな闇社会の人たちの話。読んでて楽しい。

 

Kiss×sis(19) ぢたま○某

作画の手抜きがやや目立つが、最近エロすぎて話自体はとても良い。

 

セトウツミ(8)(完) 此元和津也

ドラマ化、映画化もされた人気作。いつまでも続けられそうだっただけに少し寂しいです。瀬戸と内海のべしゃり漫才、そして取り巻く登場人物もいい味出してます。

 

栄冠はオレに輝け!!(4) 山本真太朗

定番ながらチャンピオンの王道を行く野球漫画。月刊チャンピオンからマンガボックスへ移籍しブレイクの芽を出せるか。

 

将国のアルタイル(20) カトウコトノ

エキゾチックな世界観と美しい描画で魅せるファンタジー戦記。

 

転生したらスライムだった件(6) 川上泰樹/伏瀬ほか

小説家になろうの人気作のコミカライズ版。人気作についてはそう偏見持たず読んだらなかなか楽しめるのではないだろうか。

 

荒ぶる季節の乙女どもよ。(3) 絵本奈央/岡田麿里

思春期の性を赤裸々に描いた話。

 

進撃の巨人(24) 諫山創

新章突入でどういった展開になっているか楽しみ。

 

リィンカーネーションの花弁(7)小西幹久

偉人の杜と罪人軍の戦いに終止符が打たれ新展開へ。楽しみ。

 

翼くんはあかぬけたいのに(2) 小花オト
 

華やかでオシャレな見た目に反して主人公がクソダサくてギャップが良かった。
シェアハウスの人たちも一風変わっていてやり取りが読んでて楽しい。

 

テラモリ(8) iko

ラブ・ギャグ・お仕事ネタがいい塩梅で展開されていてためになる楽しい漫画です。

 

辺獄のシュヴェスタ(6)(完) 竹良実
 

まだまだ続くと思ってただけに完結がショック。どんな結末か楽しみ。

 

間くんは選べない(3)(完) 板倉梓
 

板倉先生の可愛らしい絵柄と裏腹にダークな内容のギャップが楽しいラブコメ?ホラー?作品。
最終話は賛否ありそうですがギリギリまで楽しませてくれたので次回作も楽しみにしています。

 

ダイヤのA act2(10) 寺嶋裕二

今年のナンバーワン野球漫画。

 

アホガール(12) ヒロユキ

惜しまれつつ完結が発表されたギャグ漫画。最終巻も楽しみにしています。

 

五等分の花嫁(2) 春場ねぎ

マガジンの中で一番期待してるラブコメ

 

百年のワルキューレ(2)(完) 三月薫

続いたら面白くなると期待していたがあえなく完結。ファンタジーはなかなか難しい。

 

信長のシェフ(20) 梶川卓郎

料理と歴史の組み合わせで読み応え抜群の作品。遂に20巻の大台。

 

あおざくら 防衛大学校物語(6) 二階堂ヒカル

防衛大学校の日常を描いた意欲作。最近盛り返してきたので引き続き期待。

 

保安官エヴァンスの嘘(2) 栗山ミヅキ

サンデーの期待作。かぐや様は告らせたいが好きな人におすすめ。

 

だがしかし(9) コトヤマ
 

2期おめでとうございます!

 

古見さんは、コミュ症です。(7) オダトモヒト

良い。

 

ゴールデンカムイ(12) 野田サトル

アニメがどんな感じになるか楽しみ。

 

BUNGO―ブンゴ―(12) 二宮裕次
 

来年再び個人的野球漫画ナンバーワンに返り咲きそうな予感を感じさせる。今は雌伏のとき。

 

恋のツキ(4) 新田章
 

悪気のない浮気をする人の心情を描くのが上手すぎてびびる。どろどろした話が好きな人には強くおすすめしたい。

 

思い、思われ、ふり、ふられ(7) 咲坂伊緒
 

ダブルヒロインそれぞれの考え方が好き。

 

けんじゃけん!(3) 安田剛助

ヤングアニマル本誌への移籍が決定した人気作。楽しくて可愛いんじゃけん!

 

血の轍(2) 押見修造

怖い。

 

響~小説家になる方法~(8) 柳本光晴

漫画大賞受賞後なんか違うと違和感を覚えていたが盛り返してきた。天才を描いた意欲作。

異世界居酒屋「のぶ」(5) ヴァージニア二等兵蝉川夏哉ほか
 

お腹が空く異世界グルメ漫画。いい味出してます。

 

蜘蛛ですが、なにか?(4) かかし朝浩馬場翁ほか
 

知略を巡らせながらサクサク成長していくテンポの良さが面白いなろう発のコミカライズ作品で一番おすすめの作品。

 

以上43タイトルでした。

さて、今回で新刊紹介のコーナーは一旦終了です。
参考になると言ってくれる方もいて大変ありがたいのですが、コスパが悪いなと1回目を書き始めた頃から思ってたので既定路線です。

 

sasa-comic.hatenablog.com

 


このランキングベスト100も多いかなという意見もたまに見るんですがこれでも絞っています。
とりあえずそれなりの数の漫画を読んだ中から面白い作品を(これでも)選んでるんだなというのがブログを読んで多少なりとも理解していただければ新刊紹介した意味も多少あったかなと思います。合う合わないは仕方ないです。

このカテゴリはしばらくおやすみしますが引き続き、毎月恒例の「面白かった漫画の感想まとめ」や「次にきてほしいマンガ2018」で注目の新作は紹介していきます。

少しでもブログの認知度を上げるために、まとめ記事よりレビューなどを増やしたいなというのがブログの方向性です。
まあまあ忙しくなってきたので先行き不安ですが、ブログをこれからも育てていきたいです。
良ければまた見に来て下さい。それではまた。

【約40冊】マイナーな漫画雑誌だと舐めてたら面白い雑誌だらけだったので紹介する【おすすめ】

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※2017年12月更新

 
今回は雑誌の看板作品、注目作を挙げつつ、雑誌ごとの特色を簡単に紹介したいと思います。
興味を持った雑誌があればぜひ手にとってみて下さい。

続きを読む

このマンガがすごい!2018【オンナ編】 ランキングベスト50

このマンガがすごい2018【オンナ編】1~50位までの完全版です。
本誌では各作品の解説に加え、漫画家や著名人の選評も盛りだくさん。
今年も見どころ満載の一冊です。

オトコ編はこちら

それではさっそく順位を見ていきましょう。

 

第1位 マロニエ王国の七人の騎士(岩本ナオ

 

第2位 ポーの一族~春の夢~(萩尾望都

 

第3位 サトコとナダ(ユペチカ、監修:マリー)

 

第4位 たそがれたかこ(入江喜和

 

第5位 タイムスリップオタガール(佐々木陽子)

 

第6位 傘寿まり子(おざわゆき)

 

第7位 きみを死なせないための物語(吟烏子、作画協力:中澤泉汰)

 

第8位 ストレンジ(つゆきゆるこ)

 

第9位 大きい犬(スケラッコ

 

第10位 7SEEDS(田村由美

 

第11位 カードキャプターさくら クリアカード編(CLAMP

 

第12位 うたかたダイアログ(稲井カオル)

 

第13位 雑草たちよ 大志を抱け(池辺葵

 

第14位 アレンとドラン(麻生みこと

 

第14位 ルポルタージュ売野機子

 

第16位 にれこスケッチ(鴨居まさね

 

第16位 LIMNBO THE KING(田中相

 

第17位 漫画家とヤクザ(͡コダ)

 

第19位 うらみちお兄さん(久世岳)

 

第19位 惑星クローゼット(つばな)

 

第21位 執事たちの沈黙(桜田雛)

 

第21位 タヌキとキツネ(アタモト)

 

第23位 百と卍(紗久楽さわ)

 

第24位 かしましめし(おかざき真里

 

第24位 ねぇ、ママ(池辺葵

 

第24位 ヤンキーショタとオタクおねえさん(星海ユミ)

 

第27位 椿町ロンリープラネットやまもり三香

 

第28位 淡島百景志村貴子

 

第29位 幸色のワンルーム(はくり)

 

第29位 ヒャッケンマワリ(竹田昼)

 

第31位 凪のお暇(コナリミサト)

 

第32位 アスタロト・クロニクル(魔夜峰央

 

第32位 パレス・メイヂ(久世番子

 

第34位 悪魔を憐れむ歌(梶本レイカ)

 

第34位 ヤリチン☆ビッチ部(おげれつたなか)

 

第34位 私たちはどうかしている(安藤なつみ

 

第37位 スタンドバイミー・ラブレター(増田里穂)

 

第37位 素敵な彼氏(河原和音

 

第37位 ふつうの恋子ちゃん(ななじ眺

 

第40位 逃げるは恥だが役に立つ海野つなみ

 

第40位 薔薇王の葬列(菅野文)

 

第40位 まいりました、先輩(馬瀬あずさ)

 

第43位 王子が私をあきらめない!(アサダニッキ

 

第43位 ヲタクに恋は難しい(ふじた)

 

第45位 芋虫少女とコミュ障男子(三三)

 

第45位 かわいいひと(斎藤けん

 

第45位 地獄のガールフレンド(鳥飼茜

 

第45位 夏目友人帳緑川ゆき

 

第45位 真昼のポルボロン(糸井のぞ)

 

第45位 ミッドナイトブルー(須藤佑実
 
 
以上オンナ編ベスト50でした。
気になる作品はありましたか?
来年はどんな漫画がランクインするか今から楽しみですね。

今回の「このマンガがすごい!2018」のランキングに一喜一憂するのも一つの楽しみ方ですが、新規開拓に使うのが正しい使い方のように思います。
個人でこのマンガがすごい!や今年のベスト漫画を自分なりに考えたりするのも楽しいかもしれません。

当ブログでも連載中/完結した漫画に分けてオススメの漫画を紹介しています。
お時間あるときに良ければ読んでみて下さい。

sasa-comic.hatenablog.com

sasa-comic.hatenablog.com

 
また、このマンガがすごい!ランクインしていなくても面白い漫画が沢山あることは多くの人が理解していると思います。

まだ誰も知らない面白い漫画を探したいなと思った人は、何か漫画雑誌を買って自分で探してみるのも面白いかもしれません。

こちらの記事で各出版社の漫画雑誌について紹介しています。

sasa-comic.hatenablog.com

 
こうした漫画賞にしても、贔屓にしている書店にしても、漫画ブログにしても、新しい漫画との出会いはいたるところに転がっています。
その全てが自分に合う漫画を探すためのきっかけの一つになると嬉しいです。

このマンガがすごい!では各界の漫画好きがそれぞれオススメ作品を紹介していたりとベスト50以外にも充実した内容となっています。
ぜひ書店で見かけた際には一度手に取ってみてください。それではまた。

関連記事

 

このマンガがすごい!2018【オトコ編】ランキングベスト50

このマンガがすごい2018【オトコ編】1~50位までの完全版です。
本誌では各作品の解説に加え、漫画家や著名人の選評も盛りだくさん。
今年も見どころ満載の一冊です。

オンナ編はこちら

 


それではさっそく順位を見ていきましょう。

第1位 約束のネバーランド(原作:白井カイウ、作画:出水ぽすか

 

第2位 BEASTARS板垣巴留

 

第3位 不滅のあなたへ大今良時

 

第4位 月曜日の友達(阿部共実

 

第5位 衛府の七忍(山口貴由

 

第6位 とんがり帽子のアトリエ(白浜鴎

 

第7位 ゴールデンカムイ野田サトル

 

第8位 1日外出録ハンチョウ(協力:福本伸行、原作:萩原天晴、作画:上原求、新井和也)

 

第9位 血の轍(押見修造
第10位 バイオレンスアクション(作画:浅井蓮次、原作:沢田新)

 

第11位 1122(渡辺ペコ
 
第12位 ペリリュー 楽園のゲルニカ(武田一義、協力:平塚柾緒(太平洋戦争研究会))
 
第13位 メイドインアビスつくしあきひと

 

第14位 空挺ドラゴンズ桑原太矩

 

第15位 映像研には手を出すな!(大童澄瞳)

 

第15位 Dr.STONE(原作:稲垣理一郎、作画:Boichi

 

第17位 映画大好きポンポさん(杉谷庄吾人間プラモ】)

 

第18位 魔王の秘書(鴨鍋かもつ)

 

第19位 鬼滅の刃吾峠呼世晴

 

第20位 それでも町は廻っている石黒正数

 

第21位 キン肉マンゆでたまご

 

第21位 ワンパンマン(原作:ONE、作画、村田雄介

 

第23位 キングダム(原泰介)

 

第23位 プレイボール2(コージィ城倉、原案:ちばあきお

 

第23位 めしにしましょう(小林銅蟲

 

第26位 ダンジョン飯九井諒子

 

第26位 間違った子を魔法少女にしてしまった(双龍)

 

第28位 明日ちゃんのセーラー服(博)

 

第28位 双亡亭壊すべし藤田和日郎

 

第28位 BLUE GIANT SUPREME(石塚真一

 

第31位 ザ・ファブル南勝久

 

第31位 僕のヒーローアカデミア堀越耕平

 

第33位 官能先生(吉田基巳)

 

第33位 人形の国(二瓶勉)

 

第35位 響~小説家になる方法~(柳本光晴

 

第35位 レイリ(原作:岩明均、作画:室井大資

 

第37位 青のフラッグ(KAITO

 

第38位 甘木唯子のツノと愛(久野遥子)

 

第39位 エリア51(久正人

 

第39位 狂気の山脈にて ラヴクラフト傑作集(田辺剛)

 

第39位 やれたかも委員会(吉田貴司)

 

第42位 ライク ア ローリング ストーン(宮谷一彦

 

第43位 あげくの果てのカノン米代恭

 

第44位 阿・吽(おかざき真里、監修・協力:阿吽社)

 

第44位 HUNTER×HUNTER(冨樫義弘)

 

第46位 彼方のアストラ(篠原健太

 

第47位 喧嘩稼業(木多康昭

 

第47位 食料人類-Starving Anonymous-(原作:蔵石ユウ、作画:イナベカズ、原案:水谷健吾)

 

第47位 人間仮免中つづき(卯月妙子

 

第47位 マイホームヒーロー(原作:山川直輝、作画:朝基まさし)

以上オトコ編ベスト50でした。
気になる作品はありましたか?
来年はどんな漫画がランクインするか今から楽しみですね。

今回の「このマンガがすごい!2018」のランキングに一喜一憂するのも一つの楽しみ方ですが、新規開拓に使うのが正しい使い方のように思います。
個人でこのマンガがすごい!や今年のベスト漫画を自分なりに考えたりするのも楽しいかもしれません。

当ブログでも連載中/完結した漫画に分けてオススメの漫画を紹介しています。
お時間あるときに良ければ読んでみて下さい。

sasa-comic.hatenablog.com

sasa-comic.hatenablog.com

 

また、このマンガがすごい!ランクインしていなくても面白い漫画が沢山あることは多くの人が理解していると思います。

まだ誰も知らない面白い漫画を探したいなと思った人は、何か漫画雑誌を買って自分で探してみるのも面白いかもしれません。
こちらの記事で各出版社の漫画雑誌について紹介しています。

sasa-comic.hatenablog.com

 
こうした漫画賞にしても、贔屓にしている書店にしても、漫画ブログにしても、新しい漫画との出会いはいたるところに転がっています。
その全てが自分に合う漫画を探すためのきっかけの一つになると嬉しいです。

このマンガがすごい!では各界の漫画好きがそれぞれオススメ作品を紹介していたりとベスト50以外にも充実した内容となっています。
ぜひ書店で見かけた際には一度手に取ってみてください。それではまた。

関連記事

 

 

【2017年11月】面白かった漫画の感想まとめ【おすすめ】

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11月も沢山の漫画を読みました。
読んだ漫画の冊数は38タイトルの73冊。
その中から面白かった作品を紹介をしていきます。

 

先月の面白かった漫画の感想まとめはこちら。

sasa-comic.hatenablog.com

 
年末は勝手ながら年間の総まとめランキングベスト50をするので2017年の月別面白かった漫画のまとめは今回が最後です。生きていればまた1月の末にお会いしましょう。
※変わらず週一ペースで更新はします。多分。おそらく。

さてさて11月は本当に粒ぞろいで、どれもおすすめしたいものばかりでした。
今月は特に順位付けをするのは野暮に感じたのと、先入観入って読まれると勿体ない気もするので順位付けせず順不同で紹介しています。
なんとなく気持ちが入った文章はあるのでそちらで察してもらうのは一向に構いません。

興味を持った作品があればぜひ読んでみて下さい。
それでは紹介していきます。

 

ここは今から倫理です。(1巻/雨瀬 シオリ)

倫理とは「学ばなくても将来困る事はほぼない学問」である。
そんな倫理が「知っておいてもいいかもしれない」読み終えたあと、そんな風に考えることができたら私はとても嬉しい。
やや刺激的なシーンも含むため、全ての人にとって最高の漫画であるとは言わないけれど、確実に誰かに手を差し伸べる作品だと確信しています。

試し読みでこれは良いかもしれないと感じたらぜひ単行本で続きを読んでみて下さい。どの話も味がある話ですが4話目でグッと締まるように思います。

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言葉を必要としない、言葉が聞こえない人も中にはいるのだけど、そんな人に負けないように自分や人を大切に思う心、どう生きるかを考えるきっかけになると嬉しい。
どこか冷酷さを感じる高柳先生の意外な素顔のギャップもまた趣があって良い。
傑作になる予感を大いに感じさせるそんな1巻です。

sasa-comic.hatenablog.com

 

ヴィンランド・サガ(1~20巻/幸村 誠)

11世紀のヨーロッパを席巻したヴァイキングの物語。幸村先生の過去作

プラネテス(1) (モーニング KC)がとても興味深く読めたので同様に哲学的な話も考えながら読めた。
苦労や争いを知っているからこそ皆が幸福になる術を模索し、物語の彼らだけでなく、読者もまた導いてくれるのは良い漫画の証だと思います。

君は春に目を醒ます(1巻/縞あさと)

自分の勘を信じてジャケ買い。とても可愛らしくて優しい話で好みの内容でした。

コールドスリープ云々の設定は今後あまり活きてこなさそうだけど、年の差物と同級生物のいいとこ取りをするために上手いこと働いてくれたので何の問題もないです。
読み切りも収録されてお徳感もあるし、本編のラストシーンがとても可愛いのは良い構成。2巻も楽しみです。

 

ライミングマン(1巻/若杉公徳

最近盛り上がりをみせるフリースタイルラップをテーマにした作品。
基本路線はギャグでくだけた感じのときも多々あるが、締めるときはビシっと締める魂の籠ったライムが熱い。
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過去の栄華にすがらず、漫画家として更なる成長を見せてくれる作者の意欲作。
ぜひもう一花咲かせて欲しい。主人公と対照的なライバルの登場で更なる化学変化が起こりそうな予感を感じさせます。

火色の文楽(1巻/北駒生)

命を賭して、語れるか。つばさをもがれた青年が出会ったのは60歳からがピークと言われる文楽の世界。
険しく果てがない火の道をもがき苦しみながら進むその姿は節々に強さと儚さが見え隠れする。

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人形浄瑠璃文楽」を漫画ならではの表現で威厳と迫力をもって描かれており、非常に渋く面白く仕上がっている。
基本的に紙も電子書籍も読み味はそう変わらないと思っているが、この作品に限って言えば紙で読むのが向いているように感じます。
三浦しをん先生の推薦帯に惹かれて多くの人が手に取ってくれることを願います。

フラジャイル(10巻/恵 三朗 (著), 草水 敏 (原著))

嘘には2つの種類がある。自分のためにつく嘘と誰かのためにつく嘘。
それに対してそんなもの努力が後ろ向きなんだよと岸先生は言う。
一見切り取るとムッとくる言葉も本編を読めば嘘の孤独さをいたく考えるかもしれない。10巻の大台になり円熟味を増すその面白さは医療漫画の中でもピカイチ。

 

偶像事変~鳩に悲鳴は聞こえない~(3巻/ミサヲ (著), にんじゃむ (原著))

波紋が着実に大きくなりあらゆるものを飲み込もうとしている。
平和を求めて止まない悪意が別の正義とぶつかっていく。淘汰されるのは果たして誰か。
次巻で完結ということで、いったいどんな結末を迎えるのか序盤は荒さもあったが物語はおおいに盛り上がってきた。

ノブナガ先生の幼な妻(1巻/紺野 あずれ)

表紙でどんな漫画か察しろ。今作のヒロインは戦国時代からやってきたお姫様。
つ ま り 履 い て な い
学校が舞台だしこれはもう実質私立はかない学園の続編でしょう(違う)
紺野先生が結婚後も相変わらず?で一安心といったところでしょうか。どんな展開になってくるのか楽しみ。

 

あまちんは自称♂(1巻/寺井 赤音)

表紙の背景が男子トイレ、目の前には可愛らしいあまちん。
これは読者を試しているのか?と言わんばかりのあざとさが強い。
疑似百合あり、ハイテンションなギャグ要素ありと勢いが感じられるのが良いです。
つまるところ可愛ければ男の娘でも問題ないと思います!個人の意見です!

 

中間管理録トネガワ(6巻/福本 伸行 (協力), 三好 智樹 , 橋本 智広 (著), 萩原 天晴 (原作))

毎回芸人のコントを見てるような高い位置で安定した面白さ。
炎上編は詰まるところ日々の積み重ねでしか挽回できないというある種教訓めいた話で笑える一方で身につまされる。
一番笑ったのは西野カナ(会長)のトリセツ。
ちょくちょくネタにされるあの歌詞もトネガワでは悪くないのかも知れないと思わせる気持ちの良い笑いがやはり上手い。

 

約束のネバーランド(6巻/出水 ぽすか (著), 白井 カイウ (原著))

序盤読んでうーんって評価だった人もここまで読むと評価変わってくる気がする。
「約束」の意味がわかることでスケールが広がりワクワクさせる面白さがありました。逆に最初からワクワクして読んでた人の一部はあまり望まない展開の人もいるみたいでへーとなった。
物語はまだまだここからと予想されるが、伏線回収を上手くやってくれればジャンプの歴史に残る名作になる可能性も十分あるんじゃないかなと期待してます。

 

ドレッドノット(1巻/緋鍵 龍彦)

キャッチコピーは「全ての人間に恐怖を、ただし安全に」
本屋だと帯で内容をネタバレされててそれはそれで面白そうと思うかも。
ただ前知識ない状態で1話目を読むと「してやられた感」が面白いので誰かが読んでくれることを期待して試し読みを貼っておきます。

とはいえ、出落ちというわけでもなくきちんとした面白さは広がっているので2巻以降も期待してます。

 

選択のトキ(1巻/群千 キリ)

透明感のある絵柄と浸透する言葉の素直さが素敵な期待作。
1、2話目が凄く好きで3話目で若干色物感が出たのは正直うーんって感じでしたが1巻の続きをジャンプSQで読んで「ああやっぱりこの漫画好きだ」と改めて思いました。
友達とは?恋人とは?人間関係に悩む主人公の苦悩は少し痛々しくはあるものの、透明感のある作画がその繊細さをよく表現しています。
選択の時が迫るとき、彼はどちらの性別を選ぶのかはもちろん、トキと関わることで彼がどのように成長していくのか非常に楽しみです。

 

BLUE GIANT SUPREME(3巻/石塚 真一)

3巻は初っぱなから窮屈なコマ割りしてるなという印象から「世界が広がったみたいだ」の台詞で意図を理解。いきなりしてやられた。
初ライブは最低限のラインに留まったにすぎないが強さは届いた。それならいけるとストイックな彼らへの信頼は厚い。

 

喧嘩稼業(9巻/木多 康昭)

「この戦いも、お前のことも忘れたくない」
決死の思いで挑んだ戦いは逆転、そして再びの逆転。
これに燃えずして一体何で燃えるのか。 続きが気になるのはもちろんのことですが、なによりも10巻のネタが一番楽しみにしてるのは自分だけじゃないはず。
ということで早く10巻が読みたいです。安友さん帰って来て‥休載が増えてきたよ。

 

りぶねす(8巻/堂本 裕貴)

ゆっくりとゆっくりと、あるテーマに沿って終わりに向かっている物語。
それは着実に名作への道を歩もうとしている物語でもあります。

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「友達がいい」と言うカスミに対して「ただの友達では終わるつもりはない」と言う七瀬。さてさてどう出るカスミさん。
1巻だとラブよりコメディ重視なためふーんと思う人も少なからずいると思います。
見所はもう少し先なので手が滑って全巻衝動買いしても私は一向に構わない。アニメ化するその日まで布教していきたい。

 

アオアシ(11巻/小林 有吾,上野 直彦)

スポーツ漫画だと友達とか仲間だとかそういう枠組みをポンと越えてくる瞬間がある。
アオアシについてはユースが舞台なのも相まって、こういう枠組みを越えてくる奴がプロになるんだろうなあと、ワクワクと同時に恐怖でもある。
金田が更なる進化を遂げて立ち塞がるのか、それともこれっきりの登場になるのか。
後々ブログで改めてアオアシを紹介するときのネタの1つになりそうなので備忘録として記しておきたい。
ついでに同時発売だったショート・ピース 1 (ビッグコミックス)も面白かったのでこちらでも便乗して宣伝。

 

コンシェルジュ インペリアル(6~7巻<完>/藤栄道彦,いしぜきひでゆき)

長く続いたコンシェルジュシリーズも今巻で完結。
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前作コンシェルジュ プラチナム 10 (ゼノンコミックス)同様、世相を皮肉った内容で反応は各々あると思うが、少しでも介護について考えさせるために爪跡を残してやるという気概が感じられた点、そして最後のどんでん返しが痛快で面白かった。
産経ニュースで取り上げられている。

http://www.sankei.com/column/amp/171125/clm1711250003-a.html

介護という扱いが難しいテーマで考えさせる内容を描ける人はいても、面白く描ける人は掛け値なしにいないんじゃないだろうか。
間違いなくお仕事漫画の金字塔です。

BE BLUES!~青になれ~(27~29巻/田中 モトユキ)

vs聖和台。桜庭、一条が共にレベルアップしていくのが目に見えてわかる。
また小早川という強敵を前にして、日本代表という目標に今一度向き合うきっかけになる熱い試合だった。
特に頭で飛び込んでのパスは才能があるゆえに話の都合上大怪我をさせた訳じゃないというのがここにきて強い説得力を持たせてくるのはすごい。

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雑誌で読むとなかなか終わらず長いと感じた試合も、単行本で読むと臨場感、スピード感があり1つのプレーに着目して読める。まさに手に汗握る名試合。

 

ランウェイで笑って(2巻/猪ノ谷 言葉)

「わたしを見て」芯の通った言葉と裏腹に不安で震える千雪。
育人と同じように不安を抱えながらも、奮い立たせるその姿はやはり少年漫画らしく読者を勇気付ける熱さに溢れている。
バトンタッチするような交代劇にしびれます。こうなりたい、こうありたいと向かう目線の先が合うとその作品に強い思い入れが生まれる。
王道少年漫画であるが、掟を破りながら期待に応える従来にない新しさがある。
それを最先端のファッション同様、奇抜に捉える人も中にはいるかもしれないが、理解を示す人は決して少なくないように思う。これからも応援していきたい。

 

おわりに

以上20タイトルでした。
冒頭で言いましたが11月は本当に粒ぞろいでこの中から6つを選べとなると日によって変わりそうなぐらい作品に魅了されたものが多かったです。
面白いと言ってもジャンルが違えば、読む人が違えば見る箇所は違いますが同じように面白いと思ってくれる人がいればとても嬉しい。

12月は師走ということで文字通りあっという間に過ぎそうですが、合間に漫画でも読んで落ち着けるときがあれば心に余裕があっていいですね。
それでは今回はこの辺で。
読んでくださりありがとうございました。それではまた。

『ここは今から倫理です。』これは生きるための教科書



『ここは今から倫理です。』1巻が発売されました。今回はその感想・レビューです。
雑誌で単行本の1話目にあたる読み切りが掲載されたときからずっと注目していて、単行本になって改めて読み返して、また何度も心動かされました。

こちらの記事では単行本未発売の中からこれはヒットして欲しいと思った面白い作品を紹介しています。
その中でも一番大好きな作品として色んな人に読んでもらいたく、ひと際大きな文字で紹介していました。


作者の雨瀬シオリ先生はテレビアニメ化もされたラグビー漫画『ALL OUT!!』でご存知の方もいると思われますがフェチがすごい方ですよね。
どうやったら男キャラでこんなに色気が出るんだと『ALL OUT!!』を初めて読んだときはびっくりした記憶があります。

本作の主人公・高柳先生も「男なの!?」と戸惑った人が多分いたと思います。
なんていったらいいんでしょうね。ダイレクトな表現を使うとエロい。
これすごく共感した人もいれば、全くピンとこない人もいるようです。
この作品を知ってる知り合いがいればエロいかエロくないか質問するのもいいかもしれませんね。

さてそんな雨瀬先生が集英社グランドジャンププレミアムで隔月連載で始まった『ここは今から倫理です。』はそんなフェチ心をくすぐる作風はそのままに、珍しい倫理をテーマにした教師物です。

倫理というとあまり馴染みのない人もいると思いますが、難しく考える必要は全くありません。
なぜ生きないといけないのか、怒ってもいいことなんてないのにどうして怒ってしまうのか、ふとした瞬間に考えることありますよね。
そんな答えのない問いと向かい合うようなどちらかというと哲学のような話です。

 

あらすじ

少し刺激的な冒頭シーンのあと始まる倫理の授業は「学ばなくても将来困ることは ほぼ無い学問」という第一声から始まります。

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ではどんなときに倫理の知識が役に立つのか。
それは「死が近づいた時」「幸せとは何かを考える時」「よりよい生き方を考える時」etc…

社会に出てその知識で何かツブシが効く訳でもなく、得をする訳でもないけれど、いつか役に立つかもしれない。
そんな倫理の教えを交えながら生徒一人一人と向き合っていく授業が始まります。

 

その言葉は振り絞るように

倫理がテーマとなると小難しい説教や高説や垂れてくるのではという不信感を持つ人もいると思いますが、そんなことは一切ありません。
また、教師物でイメージするような破天荒な行動で状況を打開するわけでも、溢れ出る情熱で生徒を引っ張っていくわけでもありません。

ではなぜそんな先生に作中の生徒たちは影響され、読者もまた心打たれるのか。
それは高柳先生がなんでも解決できるスーパーマンではなく、不完全な人間だと自覚しているからこそ、振り絞るように言葉を紡ぐ点にあります

 

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理解できない・初めて出会った物事に対して、人はときに不躾な態度を取ることがあります。
そうした物事に対して冷静に対応できる懐の深さ教養を感じさせる言葉の力強さ、どれをとっても見習いたいことだらけでした。
そしてそれが先天的なものではなく、後天的なものではないのかと思わせるミステリアスな影。これが彼の一挙手一投足に目を向けさせるのです。

P179「きっと先生は、今までたくさん愛されてきたんだね」この台詞のあとの物憂げな表情に彼の過去を垣間見ます。
若々しくもどこか達観しているような、だけどふとした瞬間に折れそうなその表情の背景にはいったいどんな人生があったのか気になりました。

 

 

「いい先生」ではないけれど

成長するにつれて人は自我を持ち、次第に主義主張を持ち始めます。
その中で時に考え方の違いから争いがしばしば起こります。

第3話で登場する生徒・谷口は、過去いじめられた経験から「いじめられっこに寄り添える先生になりたい」と決意し、その理想像として高柳先生に目を付けます。

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ここで質問です。
いい先生とはどんな先生ですか?
この質問をされたとき、あなたはどんな回答をするでしょうか。

「頼りがいのある先生」「分かりやすい授業で成績が上がる先生」もいい先生です。
前向きでない見方で考えれば「単位の取得が楽な先生」なんかも(都合の)いい先生でした。
おそらく回答は様々でしょう。

そんな中で高柳先生は自らを「いい先生ではない」と主張しています。
確かに分かりやすい授業をするわけでも、困ったときに正しい道を教えてくれる頼れる先生でもない。一見見下しているような表情で生徒と接するため悪い印象を持つ人もいるでしょう。

そういう意味で決して「いい先生」ではありません。
ただ大人になっておもうのは、迷った時に導いてくれる人も偉大だが、共に迷ってくれる人も偉大だということです。

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『ここは今から倫理です。』はGTOスクールウォーズのような不可能を可能に変えるような求心力をもった先生が多くの悩める生徒を救っていくような明朗快活なストーリーではありません。
そういう意味では創作の教師物で真っ先に思い浮かぶ理想の「いい先生」ではないかもしれません。

しかし高柳先生にも素晴らしい部分があります。
それは自ら通った道をなぞらせるのではなく、
生徒一人一人に歩む道があることを教えることにあります。
手を引っ張ってくれるような先生ではないけれど、歩んだことのない暗い道で一歩を踏み出すのに戸惑う生徒がいるのなら、ほんの少しの灯かりで手助けをする。そんな先生なのです。

「そんな中途半端なことをせずちゃんと問題解決してくれ」と思う読者もおそらくいるかもしれません。
しかし誰かに頼りながら過ごしてきた生徒も、いつか自分の力で歩まないといけないときはやってきます。

そんなときに「自らの意志」で「正しい道」を歩もうとした生徒と、
自分の力で歩まないといけないのに「誰かに指図されて」「正しいであろう道」を歩む生徒。
進む道のりは同じでもその先に映る景色は全く異なるはずです。

だから高柳先生と関わった生徒は自然とこんな風に考えます。
「いい先生ではないけれど」「こんな先生もいいかもしれない」
彼はそんな不思議な魅力に溢れています。


おわりに

倫理というテーマでも決して小難しい話ではない。と冒頭で言いましたが読めば読むほど倫理ってなんだ?と考えてしまうのでやはり難しい話なのかもしれません。
だけどそれもまた面白いことだと思っています。

4話でソクラテスの「無知の知」が紹介されていましたが、知らない・分からないということは悪いことではありません。
「知らないのに知ったふりをする」「知らないことを追い求めず平気で暮らす事が悪」と作中で述べられています。

今、この作品がとても面白いと感じているのに、魅力を伝えようとするほどこれがどういう気持ちなのか分からなくて何度も修正しています。
とりあえず分からないことをそのまま放置することは止められたから高柳先生の教えが役に立ってる!などと自らを正当化していますが倫理をもう一度勉強する必要はあると痛感しています。

ただ一つ間違いなく言えることは、この漫画と出会えて本当に良かったという気持ちに嘘偽りがないことです。

まだまだ自分の知らない新しいテーマが潜んでいること。生きるために必死でもがいている人の存在がいること。
いつか身近な人が悩んでいるときに、自身に絶望が訪れたときに、倫理を考える瞬間はやってきます。
そのときにこの漫画のことをふと思い出して救われるかもしれません。 

完全に他人の気持ちを理解することはできなくても、分かろうとする気持ちがあれば救われることがあります。
分かろうとする気持ちがあれば、直接的でなくとも間接的にその人を助けることができるかもしれません。

『ここは今から倫理です。』はこれまで知らなかった考え方を押し付けるのではなく、読者にいつか役立つかもしれない「可能性」を投げかけてきます。

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読めば魂がより良くなるなんて絶対の自信はないけれど、きっかけにはなるかもしれない。そんな「より良い生き方への可能性」を高柳先生は教えてくれます。

この作品をきっかけに「自分なりのアレテ―」を考えてみるのもいいかもしれません。
信号を守るでも、挨拶を心掛けるでも本当に些細なことであっても積み重ねることで何かいいことがあるかもしれません。
そんな可能性に溢れた『ここは今から倫理です。』
傑作になる予感を大いに感じさせる1巻でした。おすすめの一作です。

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